タコは幸せを運ぶ使者?

今日は雑節の「半夏生(はんげしょう)」という節目です。例えば「入梅(にゅうばい)」も雑節のひとつです。
また、今日から七十二候でも夏至末候の「半夏生(はんげしょう)」に入りました。

雑節は農業雑暦ともいわれ、「半夏生」は「気温の上昇ともに田んぼの水温も温かくなり植えた苗がしっかり根を張れるようになる、だからこの時期までに田植えは終えましょう」という時期とされています。

さらに田植えが終わったら疲れた身体はしっかり休めましょう、ということで半夏生から5日間は農作業には向かない日とされてきました。
昔から、人々が1年を健やかに過ごせるようにする目安だったのですね。
また夏至を過ぎて11日目にもあたり、半分夏のような気候にもなるので半夏生と呼ぶようになった、とも伝えられています。

さて特に関西方面の農家ではこの半夏生の日に、タコを食べる風習がありました。
田に植えた苗の根が、タコの足のように太くしっかりと土をつかんで根付くように、という願掛けだったのです。タコの足の吸盤が米粒を連想させるところから、秋の豊かな実りに通じるともいわれます。
そこで豊作を願い、タコを食べて数日、身体をゆっくり休めたのです。

でもなぜタコを食べるのでしょうか?
タコに特徴的なのがタウリンという成分を多く含むところ。一般には疲労回復に効くといわれますが、暑さや寒さなどの体外の状況に左右されないように、体内の状態を一定に保つ働きがあるそうです。
昔の人はタコを食べれば体調が保てると、経験的にわかっていたのでしょう。

私は関東で育ちましたが、子供の頃、我が家では半夏生の日に必ずタコと小芋を煮たおかずが並びました。
そのたびに母はこう私にいって聞かせたものです。
「タコは多幸(たこう)といって幸せを呼ぶ食べ物だから、最初にタコを食べるとき、何かお願いごとをしながら食べなさい」

梅雨空の不安定な時期は、寒暖の差も激しくて体調を崩しがちです。
だから、半夏生の頃にタコを食べるのは、まことに理にかなったことなのです。
そしてタコを食べるとき何かお願いごともしてみましょう。
多くの幸せを、タコが運んできてくれるかもしれません。

今月も皆さんの「ご多幸」をお祈りしています。
チャオチャオ! マークでした……。

※「半夏」という薬草と「半夏生」というドクダミの仲間の植物があり、ちょっと紛らわしいのですが、七十二候の「半夏」は薬草の方を指すそうです。上の写真の「半夏生」も同じ時期に繁茂し、葉が白くなるので「半化粧」が転じて名付けられたとも。

占いHappyWeb本格鑑定へ
https://mbhappy.com/paidFortuneList.php