このお便りの書きだしに「風かおる爽やかな季節になりました」と書きつつ、一方では「風かおる爽やかな季節がやってきました」の方がいいのかな?と……、頭の中では右脳と左脳が綱引きをしていました。
文章を書いていると時々、こんなごく小さなことが気になってしまいます。
テレビ朝日の番組“相棒”の杉下右京さんではありませんが、「こまかいことが気になるのが僕のクセ」そんな感じでしょうか? みなさんの感性はどんな?

天を仰ぎ、地を眺め花鳥風月の囁きに耳を傾け、微妙な四季の移ろいを全身で感じ取る。
そんなふうに古人もきっと、季節はどこからやってくるのかと、いろいろ思いを巡らせていたのではないでしょうか?
私的には、季節は風が運んできてくれるのではないかしら?と思っています。
外にでると頬をなでる風の中に季節が混ざり合い、香りや触感、視覚や聴覚といった五感の全てで感じるような仕掛けを神様が作って……。
この考え方でいくと「季節がやってきました」の方がシックリとなじみますよね。
なーんて言っていると、「エミールさん。地球が自転をしながら公転をくり返しているから季節が生まれるんですよ。」
そんな事を言われてしまいそうです。
でも、 “風が季節を配達してくる説”も良いと思いませんか。
みなさんのご意見も聞かせてくださいね。

さぁ、5月といえば連休の後半で全国的にカラフルなレジャー色に彩られています。あなたのプランはどんな感じでしょう? 鯉のぼりが大空にたなびき、野原いっぱいに咲き乱れるレンゲソウやダイコンの花。
かえるの声や花の中にもぐりこんでいる蜜蜂たちのブーンという羽の音と、カタコトと優しい音をたてて回る水車。
私はこんな田園風景の中で過ごしたいなと思っています。
でも、そうはうまく事が運ばないのが毎年のこと。

まず、目的地に到着するまでの混雑と、一人でお留守番のネコさんが「行っちゃダメ」の陳情直訴でめげ、次に今や日々蕾をふくらませている薔薇たちの「え! わたしたちを見ないで行っちやうわけ?」とばかりの花目線。
そんなこんなで、やや遅ればせのレジャー計画になりそう。
ワんちゃんやネコちゃんと一緒に過ごしているあなたには、少しわかるでしょう?
お出かけする時のなんとも言えない視線……。 
スネているようなしぐさと共に、ウルウルした目で見つめて「にゃーーん」
このひと鳴きに後ろ髪をひかれてしまうのよね。
だから、必ずネコさんと一緒にお留守番をしてくれる優しいお姉さんを見つけてからでないと、いつまでたっても外出はお預けです。

とはいえ、5月に入ると二日目は立春から数えて88日目。
“八十八夜”がやってくるので各地から新茶の便りが届きます。
家の中でジッともしていられませんから、近くのティーラウンジで新茶を頂きながら柏餅を食べて、プチ旅行の気分を満喫することにしてみます。
ちなみに八十八は、米という字を分解すると出来上がる事と、柏の葉は秋に枯れても新しい芽が出るまで落ちないので、親から子供へと代が途切れずに続く縁起がよいものとされています。
新緑の中で縁起ものを頂くなんて……。何だか幸せの予感がしてしまいます。

同じシーズンに西洋ではメイポール(五月柱)を立てて花輪を飾り、春のお祝いの真っ盛りです。
夏のスタートでもあるこの季節には、グリーンの御馳走がふるまわれ野菜や果物、ハーブなど緑を意識した食材で食卓はいっぱいになります。
ずっと前、5月のヨーロッパを旅しましたが、ミントで色付けをされたホイップクリームに包まれた、青りんごのデザートの登場にはナイスサプライズ!でした。
今でもミントを見つけると、あの独特の爽やかな香りを思い出してしまいます。
ほんの少しだけプランター栽培をしておくと、とっておきの魔法タイムにスリップできるので、是非オススメ。

若さと美を象徴するような5月。
毎日の生活の中に、たくさんのエネルギーを呼び込んでくださいね!

エミール


4月の初めに高原を歩きました。まだ雪の残る里山の小川でフキノトウを積んでいるところです。新緑が芽吹き始めていました。


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