今年の夏は暑かったので、とても疲れたのではないでしょうか?
私は8月の中旬を過ぎる頃からパワーダウンが始まり、ネコと一緒にお昼寝をしたり涼しい場所で本を読んだりしていました。
でも、そのおかげで久しぶりにシェークスピアの“真夏の夜の夢”を思い出すことができました。
オベロン王と女王ティタニア。
そして、森の妖精たちや恋する若い貴族たち…。
スートリーの半分くらい忘れかけていましたが、1ページ、1ページと読みすすむうちに、鮮明な記憶が戻ってきました。
キューピッドの矢の魔法から生まれた媚薬!
この媚薬は最初に見たものに一目ぼれをする効果があるので、物語は思ってもみないような驚きの展開が待っています(これから読む人のためにここまでにしておきますネ)。
まさに真夏の夜にピッタリの夢物語、妖精たちが大好きなあなたは是非是非!
一度は読んでもらいたい物語の一つです。

さて、夢とは対照的に今度は現実的なこと。
8月から9月にかけてといえば薬草の収穫期が始まる大切な期間です。
現代のように医薬が発達をしていなかった時代の薬といえば、大地から生まれてくる草でした。
ヨーロッパのある地域では、8月15日の前後から9月15日の前後の間を「マリアの30日」と呼び、聖母が薬草の効果により恵みを与えてくれると伝えられています。
夏の大きな峠を越え、陽射しがだんだん弱くなっていく時期に、植物が十分、成熟していくと考えられていた。
だからこそ大きな力を蓄えていたというのには、うなずけますよね。

そこで私も、ちょっとしたティータイム用薬草作りにチャレンジをしてみました。
オオバコ・クズ・ゲンノショウコ、シロツメクサ・セイタカアワダチソウ。
と、まずはこのあたりから。
ペットさんたちの、お散歩道や車の通りが激しい場所は避けて、摘みにでかけます。
まだまだビギナーなので、咲いている花だけがメインです。
摘んできたら流水で良く洗ってから乾燥をさせますが、この時に虫がついていないかを再点検するのがポイント。
風がよく通る場所を探して吊るすとか、ザルに大きくひろげるようにして陰干しに。
良く乾燥したらハサミでカットしたり、ものによっては手のひらの中で揉みこんで粉々にしてから、もう一度乾かして保存します。
さて、いよいよ、お茶の時間。
フライパンにいれて、弱火でゆっくりと焙じます。
香ばしい匂いがしてきたら、キッチンペーパーの上にのせて、しばらく冷まして茶葉のできあがり。
この茶葉を急須やポットに入れてお茶を頂きますが、緑茶や紅茶とブレンドするのもアリ。

9月は野草の研究半径をもっと広げるつもりです。
ジュズダマ(果実・葉・茎)を焙煎すると香ばしく、肩こりや美肌に良いみたいなので試してみようからね?
自然界からの光と風。
初心者向けかもしれません。
そして大地の栄養が育てた植物とのふれあいが、心身に良い影響を与えてくれるのは自然の摂理なのでしょう。
そういえば動物たちも、秋には草をたくさん食べるようです。

番外編ですが、草を食べる子といえばこんな子がベランダに現れた夏の終わり。
誰かといえばキアゲハのあかちゃんです。

もうじき、背中のファスナーが開き空を舞う日がやってきます。
美への旅立ちの儀式に立ち会えるかしら?
どうやら早朝に脱皮するようなので早起き体制に入らなくてはね。
このお手紙を書いている今は、まだまだアオムシのまま、ボンタン(ミカンの仲間)の葉の上でじっとしています。

9月のスタート頃はまだまだ暑いと思います。
残暑に負けないように。

エミール



画像は『ウィキペディア(Wikipedia)』より
オベロン王と女王ティタニアの喧嘩が描かれています。そして周りには森の妖精たち。