皆さんの“夏が来れば思い出す♪”はどんなことですか?
私はね子供の頃、家族みんなで食べたスイカや、大きなおにぎりを持って一日中海で遊んでいたこと。
就職してからは仕事が忙しくて海外まで原稿を抱えながら出かけ、パリの空の下で“マイバースデイ”を書いていたことでしょうか。今思えばサンジェルマン・デ・プレ発のマイバースデイ。カフェドゥフロールやリュクサンブール公園で書いていた事もありました。
お洒落でしょ。

さて、今年の夏は早々と夏の思い出ができてしまいました。8月を迎える前に富山県は立山室堂まで、2泊3日の予定で出かけてきたのです。
標高2500メートルの地にあるみくりが池温泉に宿泊して、連山を拝みながら秘湯に入るって、相当いい気分。
え?でも、そこまでどうやって行ったの? 自分の力で歩いて登山? 
イエイエ……、実はそこまで私を連れて行ってくれたのは新幹線と富山から電車を乗り継いでケーブルカー。そして、バスにての移動です。
にわか山ガールならぬ山おばさんの楽々登山。ちょっとズルかな? とは思いますが、まぁ大目に見てやってくださいね。

第一日目は、弥陀が原湿地散策コースで約2キロの回遊コースを、2時間ほどかけてゆっくりと歩きました。
高山植物の可愛らしさと、自然が調香してくれる生き物たちの透明感のある香り。たぶん、あれは松の香りではなかったのかな? 心と体を綺麗に浄化して貰った思いでした。

午後になってからは宿泊の地、みくりが池に……。
さて、ここからが本番! と張り切って歩き始めると、まだまだ雪を残した風景が広がって、まるでスイスの山の中にいるみたい。
青いというよりは紺碧に輝く湖の美しさに、もう少し近づいて写真を撮りたいな、と思わずにはいられなかったのですが、この地は自然保護のために指定されている道幅から外れることはルール違反なのです。
それは、植物や鳥たちが暮らす環境をできるだけ自然に保つとの理由ですから、私たちにできる配慮として、そっと見守るお手伝いをするのはとても大切なことと言えるでしょう。

ところでこの日、とてもうれしいことがありました!
それは、ほとんど無理かなと諦めていた雷鳥との出会い。しかも子づれのお母さん雷鳥が、ひなさんたちを羽の中(下)に入れる風景に遭遇したのです。

まだまだ外気温が低いので、生まれたばかりのひなたちにとってはお母さんの下に潜り込み、温めてもらうのは命をつなぐ大切なことのひとつです。
それにしても4羽ものひなさんを抱いて、身じろぎもしないお母さんを見て自然界に生きる母性を感じました。

その晩はゆっくりと温泉に入り、今にも夜空から落ちてきそうな北斗七星を見てから、おやすみなさいでした。

山小屋の朝は早く、5時には発ってしまう人たちもたくさんいます。でも、私はのんびりのお寝坊組。朝食を7時に頂いてそれから出かけました。
すると! 再び雷鳥さんの親子!
もしかしたら昨日の親子たちだったのかもしれません。足早にハイマツの茂みの方に行ってしまったのは、野生の本能から雨が近いことを知っていたのでしょう。
案の定、暫くしてから小雨が降り始めましたから雷鳥天気予報はたいしたものですね。

鳥たちといえば、イワヒバリ、そしてウソ(鳥の名前ですよ)を、近くでみることができたのはとてもラッキー。けんめいに餌をついばむイワヒバリは、小さな体に似合わないくらい逞しく、「凄いんだなぁ。この子たち……」と、見ている私に元気をくれたのでした。

午後になってからは雨。そんなこんなで山小屋に戻って、山からのお手紙を書いたり、お昼寝をしたり……。
でも、いいものですよ、雨の音も。
都心に暮らす私にとっては久しぶりに聴いた、自然界から癒しのBGMでした。

4日後に自分に宛てた雷鳥の絵葉書をポストの中から見つけた時は、「この夏一番の想い出になるのかな?」って思ってしまいました。

最終日は富山まで戻り運河クルーズ、富山港から日本海を眺めましたが、短い時間の間に山と海を一度に見ることも珍しいのではないかしら?

ちょっと不思議な感じになりました。
それにしても富山県の人たちには親切にしていただきました。

富山県に住んでいる読者の皆様、本当にありがとうございました。
優しくて温かいおもてなしでした。

思い出の写真を載せておきますのでご覧くださいね。
でも、このザックを背負っているのは、せいぜい移動するわずかな時間だけ(笑)
同行したスタッフのおかげで、「写真撮りますよ~。」
「はーーーい。では、ザックをよいこらしょ……」
ちなみにこのザックの名前はニノミヤ。
薪を背負いながら読書をしている二宮金次郎にあやかっての命名です。

さて、8月はどんなひと月にしようかな? みなさんの夏休みプランをお知らせくださいね! でも、まずは健康、夏バテをしないように過ごしてね。

   エミールより


①弥陀ヶ原で見つけたチングルマ(高山植物)


②雷鳥の親子


③まだ雪が残るみくりが池


④これがニノミヤ、室堂平にて



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