まず緊張している時、どんな心理状態かというと、
心が舞い上がって、注意力が散漫になり、興奮状態・・・。
↓ つまり
ドキドキする気持ちをコントロールできない。
↓ つまり
感情をコントロールできない!!

これってどこかで聞いたことありませんか?そう、【セロトニン神経】が弱っている時の状態と同じではありませんか! ということは、この“キンチョー”の心理状態にも、【セロトニン神経】が関係しているということなんです!
↓つ・ま・り
緊張を沈めるためには、【セロトニン神経】を活性化させれば良い
ということなのです!

ただ・・・
緊張してしまう時って大体、大勢の人に囲まれていたり、突然のできごとだったりします。ですからこんな時、前回紹介したようなウォーキングやスクワットの方法は使うのは、難しいですよね。
というわけで、大事な見せ場の5分前でも使えるような、手軽に緊張を取り払う方法をご紹介します! 東邦大学医学部 有田秀穂教授にお伺いしてきました☆

◆大事な見せ場の直前でもできる!『腹筋呼吸法』

DokiDoki 。。 Kincho suru。。。

有田教授「緊張を克服する方法で一番手軽なのが、『腹筋呼吸法(座禅の呼吸)』でしょうか。まず、呼吸には2種類あります。そのひとつがこの『腹筋呼吸法』で、もうひとつが『生きるための呼吸法』。普段の呼吸(“胸式呼吸”とも言います)や横隔膜を使った呼吸は全て『生きるための呼吸法』であり、これらは無意識に〈吸う〉ことに重きを置いた呼吸なのです。それに対して『腹筋呼吸法』は主に〈吐く〉ことを意識する呼吸であり、全く違うものなのです」

『生きるための呼吸法』と『腹筋呼吸法』の違い

〇生きるための呼吸
息を〈吸う〉ことがメイン
胸筋や横隔膜を使って呼吸する
無意識

〇腹筋呼吸法
息を〈吐く〉ことがメイン
意識的に腹筋を使う
下腹に意識を集中させる

【腹筋呼吸】。 これは歌の発声などで使われている【腹式呼吸】と似ていますが、ちょっと違うそうです。

有田教授「私達はこの〈吐く〉呼吸の方法を聞かれた時、『吐いて吐いて吐ききって』とお伝えしています。まず下腹の腹筋に意識を集中させ、ギュッとしぼるように力を入れ、『はぁ~』と手を温めるように息を吐きます。
そして、その腹筋をゆるめる反動で、自動的に息を鼻から吸収します。吸う時はとくに意識せず、身体にまかせてください。この吐き方がうまくできないようでしたら、最初は『ひとぉーーーーーつ』『ふたぁーーーーーつ』と声を出しながら息を吐いてみるといいかもしれませんね」

「吐いて吐いて吐ききって」の息の吐き方  
1 下腹をしぼることに意識を集中させる
2 「ひとぉーーーーーつ」「ふたぁーーーーーつ」と初めは声を出しながら息を吐いてみる。慣れたら、声を出さずにやってみる。
3 息を吸う時も、下腹をゆるめることに意識を集中させる

この呼吸法は、最低5分以上やるんだとか。ちなみに30分続ければ、約1時間はリラックスした状態を保てるそうです。しかも、柔道の谷亮子選手もこの呼吸法をやっていたんですって! 金メダルをとり続ける精神力のヒミツが、ここにもあったんですね。効果への期待が高まります☆
では次に、呼吸以外の方法をご紹介しましょう!

◆ガムを一生懸命に噛む!
わんこだって噛み噛み。。

有田教授「よくスポーツ選手もガムを噛んでいますよね? 咀嚼(そしゃく=噛むこと)というのは【セロトニン神経】を活性化させるリズム運動の一つなんです。最低でも5分以上、一生懸命噛むことに集中すれば、緊張やイライラを解消し、リラックスする手伝いをしてくれますよ」

たったこれだけのことでも、運動なんですね! 息だけでなく、頭までスッキリ☆

◆難しくて意味のない物を読む!
りらっくぜいしょ~ん★

有田教授「人間の脳というのは、ひとつを始めたら他のことができません。ですから緊張しないためには、他のことに集中して“緊張”から注意をそらすこと、がとても 大切です。ですから、頭を使う新聞や小説などの読み物ではなく、お経や念仏、また「アイウエオ・・・」の五十音や九九など、意味がないものを5分以上読む と効果が出てくるでしょう」

お経や念仏は、大体の人達にとって馴染みがないもの。本来の意味を感じないから、効果に現れるのですね! 難しすぎる人は、子どもの時に覚えた九九や五十音を心の中で唱えれば、頭が空っぽに♪

有田教授「読み物を選ぶポイントは、《難しいけど意味がないもの》。意味のあるものだと、それを理解しようと《言語脳》が働き、“雑念”が出てきます。緊張してしまった時、一番厄介なのは、余計なことを考えてしまう“雑念”が出てくることなのです」

なるほどぉ! それで《難しいけれど意味がないもの》なんですね★

ここまできて、緊張しないためのコツがわかってきました!

それはつまり、“緊張”をなくすためには、意味をもたないリズム運動で、注意をそらす! というわけですね♪   

有田教授「他のことに集中していても、『どうしようどうしよう』と“雑念”が出てくることは、誰でもあると思います。でもそこで『違うことを考えなくちゃ!』とむ りやり“雑念”を追い払おうとしないで、その“雑念”に寄り添っていればいいのです。
『あ、雑念が出てきたなぁ』くらいに思いながら、その時のリズム運動へ の集中を続けていればいいのです。そのうちスッと消えていきますよ」

緊張すると余計なことを考えてしまいます。その余計なこと=“雑念”が緊張をあおってしまう・・・。でも、その“雑念”が現れた時、相手にしないで放っておけば、そのうち消えて、“緊張(キンチョー)”が飛んでいってしまう、ということなんですね!
“キンチョー” 飛んでけっ!

緊張してきたら、この3つ。
* ゆっくりと【腹筋呼吸】をする
* ガムを一生懸命噛む
* 何でもないものを読む
状況に合わせて使いましょう♪