原爆が投下され、2日間燃え続けたお寺です。何事もなかったように、ソテツはぐんぐん伸びています

【木の特徴―無言のまま立つ】
被爆を受けたとは思えないほど、生き生きと、元気に伸びるソテツ。
この木について、「当時のことは何もわからないんです」とご住職のМさん。2017年6月、市の担当者が調査に来るまで、この木が被爆樹木だということもご存じなかったそう。「物心ついたときには、今くらいの大きさに育っていました」と。
原爆の傷あとも見当たらない。何事もなかったように立つソテツです。

【被爆を伝える―2日間燃え続けたお寺】
福済寺は寛永5年(1628)の創建。中国文化を語る長崎の代表的な文化財でした。
しかし1945年8月9日11時2分、原爆投下により、大雄宝殿(本堂)、鐘鼓楼、山門、宝物一切がことごとく焼失しました。火災が起きたのは午後からだったと想定されており、2日間燃え続け、長崎市内で最後まで燃えていたと伝えられています。
現在では原爆被災者と戦没者の冥福を祈って建てられた「万国霊廟長崎観音」と神亀が街を見下ろしています。
興福寺、聖福寺、崇福寺の「三福寺」と併せて「長崎四福寺」と呼ばれる黄檗宗の由緒あるお寺です。

【この木に会いに行こう!】
JR長崎駅から徒歩約10分。

【被爆樹を知っていますか?】
広島市では、原爆の爆心地から約2キロ以内で被爆し、現存する161本を「被爆樹木」として登録し、保護しています。私はこの原爆を生きのびた木々を訪ね歩き、木のそばで生きてこられた被爆者の方々のお話を聴いてきました。あまり知られていない被爆樹のことを知っていただきたくて、季節ごとに少しずつ紹介します。

○杉原先生が広島の被爆樹、1本1本を訪ね歩いて紹介した本です。
『被爆樹巡礼 原爆から蘇ったヒロシマの木と証言者の記憶』実業之日本社
ISBN:9784408008813
https://www.amazon.co.jp/dp/4408008818/

○杉原先生の著作
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』 説話社刊
定価:3,024円(税込)A5判・並製・284頁 ISBN:9784906828357
⇒聖樹研究家の杉原梨江子先生が約220種の花の名前の歴史、物語、言い伝え、「シンボル」となるキーワードを丹念に集めました。植物学とは異なる、花の文化誌です。
http://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=177


○杉原先生の携帯サイト(フィーチャーフォン)
ケルトの森 木精占術
http://celticforest.jp/


○ラジオ出演
月に1度、『花のシンボル事典』から季節の花を紹介しています。
毎月・第3火曜日の19時25分から。
番組名:エフエムふくやま・本の情報番組「ブック・アンソロジー」<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
※「エフエムふくやま」公式サイトのWEBラジオでお聴きになれます。「YouTube(動画ラジオ)」でも聞けます。
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』より*カンナ(2020年8月)
https://www.youtube.com/watch?v=7R0JXvI_S_g