同じ根元から3本の幹が天を目指す。東京で最も背が高い木

【木の特徴】
樹高50メートルという、東京で最も背の高い木といわれている。
奥多摩駅に到着する少し手前、電車の中から樹冠が見えるので、気をつけて見ているといい。ホームからも見え、ひときわ背の高い木だとわかる。

このスギのいちばんの特徴は、1本の幹が3メートルほどのところで3本に分かれ、それぞれが直立して立っていることだ。
1本1本が太く、たくましい。
注連縄はリボン結びをしたような結び方が可愛らしく、まるで蝶ネクタイをしたようにも見え、微笑ましくなる。このスギは兄弟杉だろうか、それとも父と母と子供だろうか。1人の人間がさまざまな顔を持つように、このスギは3つの姿を持っている。

凛とした姿は、3つの異なる意志をしっかと貫く意志をもたらしてくれそうだ。

★この木を見るポイント
3本の幹がくっついて伸びている様子。電車の中から3本杉のてっぺんが見える。注連縄がリボン形で可愛い。


【歴史を伝える】
景行(ケイコウ)天皇の御代、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征の折りに祀った社が起源と伝えられている。境内は狭く、少し寂しい感じもするが、地元の人々の日常に溶け込み、親しまれている神社のように思えた。

【この木に会いに行こう!】
JR青梅線「奥多摩」駅下車、徒歩約5分。駅舎を出て左手に進む。
奥多摩駅に着くと、都心とは別世界の森の匂いがする。この木だけを目指して歩くのはもったいない。1日奥多摩散歩をするつもりで訪ねてはいかがだろうか。

○杉原先生の著作
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』
定価:3,080円(税込)A5判・並製・284頁 ISBN:9784906828357
聖樹研究家の杉原梨江子先生が約220種の花の名前の歴史、物語、言い伝え、「シンボル」となるキーワードを丹念に集めました。植物学とは異なる、花の文化誌です。
http://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=177


○杉原先生の携帯サイト(フィーチャーフォン)
ケルトの森 木精占術
http://celticforest.jp/


○杉原先生がラジオ出演!
月に1度、『花のシンボル事典』から季節の花を紹介しています。
毎月・第3火曜日の19時25分から。
番組名:エフエムふくやま・本の情報番組「ブック・アンソロジー」<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
「YouTube(動画ラジオ)」でも聞けます。
『花のシンボル事典』キキョウ放送中
https://www.youtube.com/watch?v=7usmTVe057Y