でもね、私は厳寒期が大好きです。

外に出るとキリキリとした風の中に早春の陽ざしを浴びながら、木の芽を蓄えた木々がスッキリとした姿で立ち、地面からは小さな小さな芽が顔を出しながら、「ここはどこかな」といわんばかりに背伸びを始め、鳥たちの鳴き声も心なしかノビノビと澄み切っている。
私もまた冬の間、こころに籠めていたものがどんどん膨らんで、もうすぐ何かが生まれて来る、そんな予感でワクワクしています。

東洋思想では、12カ月ある月の区切りを2/4で切り替えています。
新しい年は季節の陽の光と風が運んでくるものと考えているので、人間は大自然からの恩寵物としての季節を恭しくお迎えするのが、礼儀として考えられていたのです。季節を知る目安としては一年を24とおりに分けた「二十四節気」がありますが、2/4頃は「立春」にあたり、この日に春が立つ。
つまり、東の風にのって春がやってきて、冬が去ってゆくと思っていたのです。

その日の行事といえば、豆まきや恵方巻きが有名ですが、昔の人達は五行思想で春をあらわす青い色を身につけて、春を迎えに行きました。春の方位は「東」ですから、東の方から吹いてくる風の中には春の女神が隠れているとも言われています。
この日、窓をあけておくと春の気がいち早く幸運を運んできてくれますよ。もし、寒い日だったら椿の花を飾っておいてくださいね。

そうそう、春のプチカルチャーですが、語源は「張る」とか「発する」なのだそう。土中の球根がいよいよ地表に顔をだすことや気の芽がすこしずつふくらんでいくことを考えれば、そう思えてしまいますよね。お財布も秋(空)に買うよりも春(張る)の方が縁起がよいのだとか?

さて一月は、雪が眩しく輝く高原の大自然の中で、野ウサギが走っていく光景に胸がドキドキ。
スノーモービルのエンジン音に気が付いたウサギさん! まさに脱兎のごとく、あっと言う間に木の陰に隠れてしまいました(ごめんねーー、驚かせて)。
高原の頂上から眺めた日本海側の山々が煌めいていました。春夏秋冬お世話になっている当間高原、冬の巻でした。

この季節、ヨーロッパの魔女さんたちも春を迎える準備で大忙し。季節の再生を誰よりも早く感じ、春の兆しを自然の中で見つけると、こころと身体の大掃除にとりかかります。
たくさんのハーブ。そして、木の実を食べながらデットクス。
数滴のローズマリーやペパーミント・ゼラニウム、ジュニバベリー・グレープフルーツをホホバオイルで混ぜ合わせたものが魔女さんたちの御用達とか? デトックスをしてみたいあなたは、よく調べてみてくださいね。

さあ、今日はこれから観察ブックとミニスケッチブックを持って新宿御苑まで出かけます。蕾の成長日記を作って一年間、同じ子を見守ってみるつもり。
そういえば、今年のお正月「さなぎ」を貰ったの。まだまだ、固い殻の中で眠っています。
が……? 脱皮してどんな子が姿を見せるのか、とても楽しみです。

     エミールより




当間高原でスノーモービル(正確にはスタッフの後ろに乗って)、周遊コースを一周しました。


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