前回のお便りで少し触れましたが、春の終わりから6、7月は “椎間板ヘルニア”治療のために病院通いでした。
7月21日迄には治るつもりでいたのですが、残念ながらあともう少し通院が続きそうです。
でも歩行困難状態からは卒業したので、散歩やバードウオッチングを楽しんでいます。
新宿御苑では、本の一瞬ですがオオタカの幼鳥が飛んでいる現場を目撃しました。
(私も羽ばたきたいです・・・)

さてさて病院にいる時間。
その間、スマホは圏外になるので友人や仕事仲間が気を揉むほど連絡が着きにくく「神隠しにあったのか?」といった人もいました。
でも、これだけ密に連絡ネットが張り巡らされていると、ほんの僅かな間でも連絡が途絶えると 「これは一大事!どこにもいない」 「いったいどちらに」 ということになってしまうのも事実かもしれません。

そんなにまでも“繋がってしまった”私たちの日常の中で、ちょっとした錯覚が起きるとしたら“繋がっていないと淋しい”そんな現象です。
よほどアマノジャクでない限り、たいていの人は淋しがり屋です。
自分のことを知ってもらうために、電話・手紙・ネットなど様々な手段で、おびただしい分量の情報を相手に送っているわけですが、果たしてそれは本当の声として伝わっているのでしょうか?

相手に考える時間も与えないような、スピードでの送信&返事の催促。
レスポンスがないと “淋しい” から “不安!”へと、感情が変化してしまうこともあるでしょう。
よく考えてみると、これは現代における通信の弊害のひとつだと思います。
(便利なのに、皮肉なことですよね)

連絡は受け身に徹することにして、あえて “相手からくるもののみに対応する” と決めてしまうと、一日くらい自分からの発信をストップしても不自由はないと感じました。

これは最近、 “得体のしれないもの”に引き綱をひかれて、心のどこかで焦りと不安が出ているあなたへの処方箋。
頻繁な連絡に気持ちがキリキリ舞をしてしまい、優先順位がめちゃくちゃになっている「情報疲れ病」です。
入院の必要はありませんが食事をきちんと摂り、食後30分はスマホを一旦切ってひと休み。
睡眠前1時間前にはスマホを充電して綺麗な箱にしまっておく。
ここで注意するのは、この箱は朝まで絶対に開けてはならない。
魔法の箱と自分に言い聞かせる。
夜中に看護師さんは循環してくれませんから、自己管理をしてくださいね。
このお約束を守った人は、朝起きると良い副作用として心がスッキリしています。

断食と少し似た感覚で “断つ” ことが心の垢をおとし、デトックス効果をねらうような感じでしょうか?
「断食ならぬ断信?」 立ち止まり迷いを切ることができる8/26、上弦の月の日に実行すると効果がありそう。

もうひとつ。
何もすることがない病院の順番待ちの時ならでは!の考え事。
次なる処方箋です。

「あの人は明日退院らしい。あーうらやましい。私は来週まで待たなくては」 と悲しく思っていたら 「私はまだまだ先になりそうです」と聞き、お大事にと言いつつ少しは自分の方がましなのでホッとする。
例えが病院風でごめんなさい。
でも、このように他者との比較で、心のふりこが大幅に揺れてしまうことはないでしょうか?
自分と他者、そして社会。
このみっつの点を結ぶ脳の働きを「社会脳」と呼ぶそうです。
我々はこの社会脳によって相手の気持ちを考え、協調精神を発揮しながら環境と折り合いをつけているのです。

会社・学校・塾・お稽古事・etc・・・。
みんなで集合してひとつの社会を作っている場合は、必ず気になる他者存在があるため、イヤでも 「あーうらやましい」 という感情が生まれます。

一見マイナーに思えるこの感情ですが、目をそむけてはいけません。
それは自分を理解する上でとても大切なキーワードなのです。
心の根底でそっと身を潜めている 「願望・・」
つまり本当に望んでいる自分の姿が映る鏡。
認められたい、好かれたい、もっと上達したい。
そんな自分の想いがその鏡に写っているのです。

でも問題はそれから。
うらやましい病が出たあとの自覚症状と行動パターンは、おおむね3通りのタイプにわかれます。
まず一番目は頑張って力を磨き、相手より良い成績をあげようとする発展的なタイプ。
二番目はターゲットにしている人を下にしようと、マイナスの力を使うタイプ。
悪口を言って歩き、自分の方が正しいとアピールする傲慢さが目立ちます。
最後は他者と比べない価値観。
いちいち人と比べ 「うらやましい」 と思う気持ちが希薄で、楽しくフワフワ生きていけばよいというタイプ。

この三つの中で一番厄介なのは嫉妬にとらわれている二番目。
自分のために用意されている“自分の人生”を忘れているので処方箋も難解です。

ある日ハッと気が付く巡り合わせがあるか?
或いは意図的に 「お互い様ですから」 「おかげさま」 その魔法の言葉を生活の中に増やしていくか・・・。
考えられることは、そのふたつくらいでしょう。

お互い様とは、相手も自分も同じ立場と示します。
上も下もなく、立ち位置も同じというニュアンスです。
おかげさまは、お陰に通じ目にはみえない神仏のご加護を示します。
どんなことでも、ひとりの働きだけではできないと感じた時に生まれてくる他の人への感謝の気持ちです。
言霊というくらいですから、日々の生活の中にこのふたつの言葉が増えることで、人を妬む気持ちからいつか脱出することができるでしょう。
ちなみに、このふたつの言葉の嬉しい副作用は、人間関係がとても良くなることです。
副作用に気をつけて言い過ぎに注意することもありませんから、どんどん使いましょう。

それにしても本日のお便りは病院通い通信なので花鳥風月がなくて殺風景ですね?
でも、病院でも時々サプライズや占いモードが!
看護師さんが人気タレントの名前を呼んだ?
わー凄いどこどこ? って見てみると同姓同名のおじサマ(+_+)とか、生年月日を聞かれている人を観察しながら 「1993年8月1日生まれです」 と小耳にはさみ 「おー、七赤の獅子座かぁ」。
もっと華やかな服を着ればいいのに、と病院であることも忘れ、占いの世界に入ることも。
誰かの生年月日が気になるのは仕事のせいかしらね。
ウン! きっとそうね、そうに決まってる。

8月はせっかく足の痛みから解放されてきたので、いつもと違うエリアに行ってみます。
ちょっと気になっているパン屋さんと、スイーツのお店もあるし。
そしてオオタカの様子も確認しなくてはネ。
大きくなって逞しく空を飛んでいるとうれしいなぁ。

エミール


梅雨の合間に御苑を散歩。
この日オオタカの幼鳥が飛んでいるのを目撃しました。
羽田へ着陸する飛行機が大きく見えます。