「白いツバキが一輪あればいい」Coco Chanel

ツバキには女の魂が宿っている………と知っていますか。
古来、神聖な呪力が宿る霊木。良縁を呼ぶ八重垣神社の夫婦椿(島根・出雲)、女性の魂が木に宿る樹齢750年の藪椿(富山・氷見)など、神に捧げる木が今も生きています。
寒い季節に咲き始め、春を告げる花。
つやつやとした葉は神の依代、花の実は輝く髪をつくる椿油に。
ツバキを贈ることは、「あなたは美しい」というメッセージを告げることなんですよ。

ツバキが象徴するミューズは、なんといってもココ・シャネルでしょう。
「花束は嫌い。白いツバキが一輪あればいい」という言葉を残しています。
シャネルはたくさんの色を使うことは下品だと言い、白と黒を愛したことでも有名です。
白について、「雪は無邪気にすべてを包み隠す」とその魅力を語っています。

ツバキの花には匂いがないため、自分にふさわしい香水を自由にまとうこともできます。白いツバキはどんな色にも香りにも染めることができる、美の象徴なのです。
花ごとポトリと落ちるのも、自らの信じる美を創り続けたシャネルの潔い生き方を表すようです。
機会があればシャネル・ブティックで、カメリアコレクションのブローチを手にとってみてください。

シャネルが私たちに残したものは美意識を貫く生き方。
これからの1年をかけて、あなたが本当に美しいと思うものだけを身の周りに集めてはいかがでしょうか。例えば白いシャツ1枚を選ぶにも素材によって色は違います。
「私にはこの白でなければならない」という絶対的な白を、妥協なく。
意志をもって選択を続けていると、今年が終わる頃、あなたはかけがえのない自分だけの花を咲かせているでしょう。

<1月に生まれた人へのメッセージ>
あなたはツバキのように妖艶で、凛とした立ち姿からほのかな色香を漂わせます。苦しいときには好機を待つ忍耐力があり、困難に毅然と立ち向かう強さももっています。周囲からはちょっぴり怖い人と思われているかもしれませんが、つねに自分に忠実でいてください。

●この花のミューズ(女神):ココ・シャネル(1883-1971)
20世紀を代表するファッションデザイナー。シャネルの創り出した服は女性を窮屈なコルセットから解き放ち、美の概念を変えただけでなく、女性の生き方にも影響を与えた。ピカソ、ジャン・コクトーなど芸術家たちと交流し、一流の男性たちとの恋愛も謳歌した。パリのホテル・リッツで死去。享年87歳。


○杉原先生の著作
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』
定価:3,024円(税込)A5判・並製・284頁 ISBN:9784906828357
聖樹研究家の杉原梨江子先生が約220種の花の名前の歴史、物語、言い伝え、「シンボル」となるキーワードを丹念に集めました。植物学とは異なる、花の文化誌です。
http://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=177
http://setsuwasha.com/


○杉原先生の携帯サイト(フィーチャーフォン)
ケルトの森 木精占術
http://celticforest.jp/


○杉原先生がラジオ出演!
月に1度、『花のシンボル事典』から季節の花を紹介しています。
毎月・第3火曜日の19時25分から。
番組名:エフエムふくやま・本の情報番組「ブック・アンソロジー」<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
※「エフエムふくやま」公式サイトのWEBラジオでお聴きになれます。
http://fm777.co.jp/pc/html/simulradio.html
※YouTubeでもお聞きになれます。(「花のシンボル事典」で検索)
シクラメン
https://www.youtube.com/watch?v=-KccjdbneKY