長崎原爆から蘇った「被爆樹木」のシンボル

【木の特徴-大きなウロがある】
山王神社には2本のクスノキが立ち、夫婦楠として地元の人々に親しまれています。シンガーソングライター福山雅治さんの歌「クスノキ」のモデルとなった木です。
宮司さんによると、「戦前はもっと大きくて、境内に広い影を作るほどだったんですよ」。

1945年8月9日午前11時2分、長崎市に原子爆弾投下。
強烈な爆風と熱線によって、枝も葉も吹き飛び、幹は途中から折れて、黒焦げになりました。被爆直後の無惨な姿が白黒写真に残されています。

焼け野原となった境内に立つ2本のクスノキは現在、同じ場所で大きく成長し、堂々たる姿で参拝客を迎えています。

幹には大きなウロ(穴)や傷あとがあります。中程にある穴の中には石がゴロゴロと入っています。
木のそばに設置された階段を上ると、ウロの中が見られるようになっていますので、のぞいてみてください。

【被爆を伝える 一本柱鳥居】

参道にある二の鳥居は、1本だけで立つ「一本柱鳥居」。
爆心地側の左半分が吹き飛ばされたが、右側は残り、根元には折り鶴が捧げられています。この鳥居のことも、福山さんの歌に登場しますね。

【この木に会いに行こう!】
長崎電気軌道の路面電車、浦上駅前で下車。徒歩10分。

【被爆樹を知っていますか?】
広島市では、原爆の爆心地から約2キロ以内で被爆し、現存する161本を「被爆樹木」として登録し、保護しています。長崎市では「長崎市被爆建造物等の取り扱い基準」で保存対象としています。あまり知られていない被爆樹のことを知っていただきたくて、季節ごとに少しずつ紹介します。

○杉原先生が広島の被爆樹、1本1本を訪ね歩いて紹介した本です。
『被爆樹巡礼 原爆から蘇ったヒロシマの木と証言者の記憶』実業之日本社
ISBN:9784408008813
https://www.amazon.co.jp/dp/4408008818/

○杉原先生の著作
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』 説話社刊
定価:3,024円(税込)A5判・並製・284頁 ISBN:9784906828357
⇒聖樹研究家の杉原梨江子先生が約220種の花の名前の歴史、物語、言い伝え、「シンボル」となるキーワードを丹念に集めました。植物学とは異なる、花の文化誌です。
http://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=177

○杉原先生の携帯サイト(フィーチャーフォン)
ケルトの森 木精占術
http://celticforest.jp/

○ラジオ出演
月に1度、『花のシンボル事典』から季節の花を紹介しています。
毎月・第3火曜日の19時25分から。
番組名:エフエムふくやま・本の情報番組「ブック・アンソロジー」<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
※「エフエムふくやま」公式サイトのWEBラジオでお聴きになれます。
『花のシンボル事典』キョウチクトウ放送中
https://www.youtube.com/watch?v=cS8dExJj0AU