「永遠の愛」のシンボル

ヤグルマギクはキクの仲間の1年草で美しい青色が特徴です。青と言っても、淡い水色から、ラピスラズリのような濃い青、紫色に近い青まで、さまざまにあります。

ヤグルマギクが象徴するミューズは、古代エジプトのファラオ、ツタンカーメン王の王妃アンケセナーメンです。
ツタンカーメン王の墓が発見されたとき、彼の胸元に置かれた小さな花輪の中にヤグルマギクがありました。その花びらはかすかに青色を残していた、と発掘を指揮したイギリス人考古学者ハワード・カーターが伝えています。
約3300年前に贈られた花輪に、花びらの色が残っていたことは奇跡のようです。

ツタンカーメン王はまだ18歳でした。
花輪を供えたのが、2つ年上の王妃アンケセナーメン。
王妃さまは王さまに先立たれて、どんなに悲しかったことでしょう。
青色を残したヤグルマギクは王妃さまの涙の色のようにも思えます。花輪が発見されたとき、夫を慕う王妃さまの愛情が時を超え、現代に蘇った瞬間といえないでしょうか。
このときから、ヤグルマギクは「永遠の愛」のシンボルとなりました。

エジプトでは花束は「生命」の象徴でもあり、青い花は「魔除け」のシンボル。
テーブルにヤグルマギクを飾って、大切な人への愛をもう一度、心に満たしてみてはいかがでしょうか。

<6月に生まれた人へのメッセージ>
あなたはヤグルマギクのように愛する力をもった人です。ときに移り気に見えるかもしれませんが、ひとりの人を深く長く愛します。恋愛同様、仕事や人生に対しても、心に響いたテーマを追い続けます。ヤグルマギクが長い間、色彩を失わないように、年齢を経ても生命の輝きを讃え、美しく生きていくでしょう。何事も途中でやめないことが真の幸福への秘訣です。

●この花のミューズ(女神):ツタンカーメン王妃アンケセナーメン
古代エジプト第18王朝の12代目ファラオ、ツタンカーメン王の王妃。結婚式を挙げたとき、王は10歳、王妃は12歳。王は18歳で死去。彼の胸元にヤグルマギク、青スイレン、オリーブなどを束ねた花輪を供えた。未亡人となった王妃は不本意ながら宮内大臣アイと結婚、後継王の妻となる。約3300年後の1922年、王墓発見のとき、青い色を残したヤグルマギクの花輪が発見され、王妃の存在も歴史に刻まれることとなった。

○杉原先生の著作
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』 説話社刊
定価:3,024円(税込)A5判・並製・284頁 ISBN:9784906828357
http://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=177
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