少しずつ深まりを見せる秋景色の中で日々が優しく過ぎていきます。
風の声にも、陽の光の中にも「もう10月が来ましたね」のメッセージが…。
夜になり、ソッと日ごよみのページをめくっているのは、一体だれなのでしょうね?
そういえばあなたの心のポストに宛てている、このお便りももう何通目になるのでしょうか。
最近、時の過ぎゆく不思議さについて、いろいろと考えてしまいます。

さて、今回は前回の続きです。
9月のお便りで「最近もの忘れが多い。困ったものだ」と、つい本音を書き「何か良い記憶力強化レッスンプログラムは、ないものでしょうかネ。」と結んだ。
そのせいか、私の嘆きというか、ぼやき、ためいきか? この部分を読んだ人たちから、こんなお声を頂いた。

「エミールさん、“脳を鍛える携帯版おとなのドリル”(川島隆太著)とか…脳を活性化する△△法とか様々な本などトレーニング法がありますよ。」
「エミールさん、日々ビックリするようなことが続くと脳が衰えないみたいです!」
 (えッでも、これは脳が蘇っても心臓に悪いかも?)
はたまた、「恋すると頭がハイビジョンになるそうです。」他、いろんなお声があり、聞いているだけでクラクラしてしまいそうだった。

では、ドリルからいきましょうかと軽い気持ちでスタートしたのだが、最初から挫折してしまった。
「暗算をしてみよう。」と「ひらがな3文字の単語を覚えましょう。」に従い、一日中この作業にとりかかり、友人と約束していたことを忘れてしまっていた (T_T)
これでは記憶どころか物忘れの促進になりかねない。
ん~、この方法には限界が、もう少し違うアングルから脳トレをしてみようか?
次のメソッドへとコマを進めると「自分の方を向いたサイコロの目が3の場合、裏の数字は?」の問い。
表裏の合計は「7」というヒントが始めのページに書いてあるのだが、私的には「それは、ひっくり返せば直ぐ分かる」と脳が判断をしたのでここで終了。
良く考えて「4」という結論にまでたどりつかない。
どうやら私はこのような知的な作業が苦手なのかもしれない。

思い起こせば、算数の図形テストでのこと。
「AとBの図はどちらが大きいか?証明せよ」の答えに「B。証明、みればわかる」と書き込み先生に「答は合っているが…」と呆れられてしまった。
しかも、この答案の一番下に「書けとか、証明せよなど命令みたいな言葉は良くないと思います」とさらさら書いたらしい。
(記憶は定かではないが、母が学校から呼び出しを受け、さんざん小言を貰ったと語っていたのでほとんど事実。)

そんなこんなで、では次の問題は、枕草子へと飛ぶ。
「春はあけぼの…」と、かの有名なくだりへの質問。
後半の「冬はつとめて。 雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るもいとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。」

ではここで質問です!コーナー。
「いとつきづきし、とあるが作者は何故、つきづきし、と言ったのか」。

さて…これは困った。
清少納言には会ったことがないので正確な意図がわからない。
たぶん、冬の早朝に緊張した気持ちで女官たちが活動することが厳しい寒気と調和するから?と想像する。
しかし、本音がわからない…。さてと?

こんな事をしているうちに、本来の目的が脳トレであることを忘れかけている。
これぞ!、もしかして究極のトレーニング?

与えられたルールに従い繰り返すことからエスケープして異なる次元を覗き込む。

脳には万華鏡がごとく様々な機能がある。
だから、むりやりの詰め込み学習や模範解答探しは時々ストップして、全く違う角度から考えてみるのも、いいトレーニングになるのではないかなぁと?

「そうだ!記憶力が衰えてきたら、記憶の達人に覚えていて貰おう!」と思わずパートナーに熱い視線を向けているこの日のエミールでした。
どうも失礼いたしました。

あっ、そうそう最近、耳にしましたが、「デッド飲み」なる言葉があるそうです。
なんでも、ストローを使わず直接飲みやら、ラーメン店ではレンゲ無しでスープを飲むことを、そのように表現するのだそう。

一度、やってみようかしらね?
デッド飲み、なにやら豪快そうで気分が晴れそうですネ。

     エミール


最初に登場した花、ツリフネソウです