七十二候の立春初候では「春風解凍(はるかぜこおりとく)」 東の方角から風が吹きはじめ、氷を溶かし始める時候。
立春次候になると「黄鶯睍睆(こうおうけんかす)」 まだ寒い時期ではあるものの山ではうぐいすが鳴き始める頃。

立春末候では「魚上氷(うおこおりをのぼる)」 春の兆しが一段と濃くなり、溶け始めた氷を割るようにして魚が飛び出してきて元気に遊ぶ。
そんな時候と告げています。

同じ時計で動いているはずなのに、なんだか春を待っているときは、そわそわと時の流れが違うような気がします。


先月のお便りでは新年そうそう、生きるの死ぬのと大騒ぎをしたお話だったので今月は、どうしましょうね?
アカデミックにいきましょうか…それとも…。

2月といえば受験シーズンですね。
1月24日の日本経済新聞に「池上彰の大岡山通信、若者たちへ」という記事があったので、引用しながらご紹介しますね。
受験生でない人や、若者でなくても役にたちそうな話題です。

池上氏は「大岡山通信」の中で、こんなことを述べています。

冒頭に1月15日に東京大学前で起きた事件について、学歴信仰の虚しさについて触れています。
「もはや学歴社会ではないと言われて久しく、マスコミも学歴社会を助長するようなことを控えてきたはずなのに…」と。

「東大生だから頭がいい」というようなクイズ番組を見るにつけ、学歴さまさまの考え方は、偏ったものの見方になりかねないと一言述べていました。

更に「頭が良い」ということと「物知り」は違うというご指摘。

「いくら物知りでも、組織の中で使い物にならない人はいくらでもいる。」
「プライドばかりが高くて仕事ができない人も知っています。」
「特定の私学出身であることを鼻にかけたような言動をする人を見るとうんざりしてしまいます。」
とシャープに続く文章を読みながら、「おぉ!これはまさに今、私が考えていることと同じ!」と心の中で拍手ものでした。
学歴だけが人を評価する基準ではないのです。

受験は人生における、ひとつのターニングポイントです。
ですが…、第一志望校に落ちたことからスタートする、新たな展開の中に素晴らしいカードがあるかもしれません。

思いがけず面白いドラマに出会うこともあるでしょう。
予期せぬ道への変更は人生につきものです。
だからこそ、人生は面白いのです。

もっと穿った見方をすれば、人生そのものが日々受験のようなものかもしれません。
この科目では落第したけれど、ここは合格だった…と。
毎日一喜一憂しながら、人はやがて自分の得意、不得意を学習していくのではないでしょうか?
案外、落第したことから学ぶことが多いのも、また事実です。

だから、気楽にいきましょう!

ちなみに私の落第科目は、片づけと掃除。
つまり家庭科は壊滅的にNG(食いしん坊なので料理は◎)。
そこで、先程の落第科目の対策は「不得意なことは得意な人に任せる」。
その結果どうなったかといえば、パートナーが私の不得意分野を担当するという図式になりました。

では、この話の応用問題で「相手をほめてプラス循環をおこす法則」を作ってみます。
目下、ライバルと闘って負け戦さが続いているあなたへの秘策になるはず。
ライバルに向かって戦う気持ちは上昇志向の表れなのでそれ自体は良いことです。

しかし、全て数値化して「勝った」、「負けた」と毎日のように気持ちが揺れていては、とてもストレスです。
大切なのは、ライバル心を成長のパワーに転換すること。
まず相手の優れているところや、評価されているところを俯瞰して探し出してみましょう。

「そうか…やはり、凄い…」と感じたことは、本人や周囲の人にも話しましょう。
相手に対して肯定的であり、認めているというポジティブなアウトプットができると、周りの人からも温かい目で見られるようになります。
そこから自分自身の中で、良いエナジーの循環が始まってくるのです。

他者比較して落ち込む必要はありません。
自己嫌悪におちいり、負のブーメランとなって返ってくるばかりです。

相手を肯定して自分も見習うべき部分は見習う。
足りないところでは、素直にSOSを発信する。
これは広い意味で「マナー」にもつながるのではないでしょうか?

マナーの水源地にあるのは、思いやりという温かい心です。
相手を認め、褒めることによって得られるものはたくさんありますよ。

いみじくも私の不得意科目がバレてしまいましたが、早々と降参してパートナーに丸投げしたおかげで、片づけ対策はとてもいい感じです。
(理系なので合理的にかたづけるノウハウがあるらしい・・・)
そんなところには、心からありがとう!です。

ン? なんか今回は話が寄道をしてしまいましたね。
さて…いまから午後のお茶タイムをしようかな?
それとも、ベランダにある鉢植えのバラたちを剪定でもしようかしら…。


   エミール



上野東照宮の冬牡丹、寒さに負けずに大倫の花が開いていました。


先ほどバラを剪定完了。