被爆後、黒焦げのボダイジュは早いうちに芽吹き、多くの人に生きる希望を与えました

【木の特徴―ヒコバエが育つ】
戦前、宝勝院の境内には2本の兄弟ボダイジュが立っていました。
原爆投下後、ボダイジュは早いうちに芽を吹き返し、多くの人に生きる希望を与えました。当時、「70年間、草木も生えない」と新聞に記事が出て、もう広島で生きていけないのではないかと、宝勝院のご住職、國分一家は四国の親戚を頼ってこの地を離れることも考えていました。しかし、境内ではボダイジュが芽生え、畑では里芋も芽を出し、「大丈夫だ、ここで生きていける」とこの地でお寺を再建することを決めました。


【被爆を伝える】
1956(昭和31)年、兄弟ボダイジュの1本を広島平和記念公園に寄贈。境内に立つボダイジュは枯死しましたが、同じ根から出たヒコバエが次々と芽生え、そのうちの元気な数本が大切に育てられています。原爆を知るボダイジュは生き続け、ヒロシマで何が起こったか? を伝え続けていきます。境内では「被爆ツバキ」も毎年、赤やピンクの花を咲かせています。

↑被ばくから再生した菩提樹の種

【この木に会いに行こう!】
広島駅から徒歩約20分。路面電車「白島」駅から徒歩10分。

【被爆樹を知っていますか?】
広島市では、原爆の爆心地から約2キロ以内で被爆し、現存する161本を「被爆樹木」として登録し、保護しています。私はこの原爆を生きのびた木々を訪ね歩き、木のそばで生きてこられた被爆者の方々のお話を聴いてきました。あまり知られていない被爆樹のことを知っていただきたくて、季節ごとに少しずつ紹介します。

◆杉原先生が広島の被爆樹、1本1本を訪ね歩いて紹介した著作です。
『被爆樹巡礼』実業之日本社
ISBN:978-4-408-00881-3
https://www.amazon.co.jp/dp/4408008818/
↓Kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B01448DDUW/

◆説話社刊、杉原先生の著作
『偉人の花ことば』
定価:1,540円(税込)四六判・並製・240頁 ISBN:9784906828814
https://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=253


『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』
定価:3,080円(税込)A5判・並製・284頁 ISBN:9784906828357
https://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=67


◆「YouTube(動画ラジオ)」でも聞けます。
エフエムふくやま 
本の情報番組「ブック・アンソロジー/もっと素敵にマイライフ」
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』『偉人の花ことば』から季節の花をひとつご紹介。2022年7月「ナスタチウム」
https://www.youtube.com/watch?v=aE9BLQlp9Pg