「春眠暁を覚えず」でついつい寝坊をしがち……、そう、もう春のお彼岸なのですね。

春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが同じになる年に２回の特別な日です。

昔の人は、明るい昼間は人も含めたこの世の生き物が暮らす光の世界、暗い夜は神仏や精霊、それに魑魅魍魎（ちみもうりょう）が暮らす闇の世界と考えていました。
そして昼夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日は、三途の川で隔てられている「あの世」と「この世」の距離が近くなり、ご先祖様に思いが通じやすくなる日とされてきたのです。そのため春分の日を春彼岸の中日とし、その前後３日間を含めた期間を「お彼岸」と呼んで、墓参りをしたり法要を営んだりするようになったのです。

このお彼岸の先祖供養は、日本では仏教と結び付けられていますが、じつは他の仏教国にはない日本独特のもの。元来「彼岸」とは、悟りを開いた者だけが至る三途の川の向こう岸、神仏の世界を指します。
古代から日本では、日頃の罪咎（ざいきゅう。つみ、とが）や煩悩を祓い浄めるために、昇る朝日や沈む夕日に手を合わせてきました。今でも新年の初日の出、ご来光を拝みますよね。

３月20日の春分の日は、まず早起きをして昇るご来光を拝みましょう。万物を育む太陽の力にあやかって、願望成就を祈るのです。そして夕暮れ時には沈む夕日を拝んで、我が身に宿る煩悩と降りかかった災厄を払い浄めます。
ご先祖様や神仏との距離が近いだけに、私たちの思いが通じてご加護が得られるのではないでしょうか？

それでは今月も、みんな一緒に幸せになりましょう。
チャオチャオ！　マークでした。

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