ルネ先生から人づき合いに悩むあなたへ

魔女にとって大切なのは、とことん“自分”について考えること。もしもあなたが人づき合いに悩んでいるのなら、その悩みについて突き詰めて考えてみてください。もし「もっとこうしたいのに」という思いがあるのに、それができずにいるなら、それをしないことで何か得があるのかもしれません。例えば「自己主張したい」と思っているのにできないなら「実は周りに合わせたほうが責任を負わなくていいからラクだ」と無意識のうちに思っているのではないでしょうか。
「自己主張するよりも、多少、自分を抑えてでも周りに合わせるほうがいい」という結論が出たならそれでもいいのです。ですが、「いや、そうじゃない、本当にもっと自己主張したいんだ」という結論が出たのなら……、あなたに魔女流の人間関係の道を指し示しましょう。

ヒント1
何はなくとも自分から挨拶を!
魔女は何にも縛られない存在ではありますが、目上の人に対して敬語を使うなど礼儀作法はきちんとわきまえていました。特に重要なのが挨拶です。挨拶というのは相手の存在を“認める”行為。最近、挨拶のできない人が増えていますね。それは“自分”にばかり重きを置きすぎていて、他者への思いやりが薄くなっているからでしょう。「私はあなたを認めていますよ」ということを表明する、もっとも初歩的な行為が“挨拶”。人づき合いで一番重要なポイントです。

ヒント2
みんなにいい顔をするのはやめること
魔女にとって、自分の時間を大切にするのはとても大事なことです。自分がどうしたいのか、何を望んでいるのか……。“自分とは何か”ということを突き詰めることが、魔女の人生の一番大事な課題であるからです。そのためには自分の時間を確保することが重要。みんなにいい顔をしてしまうと、望まない人づき合いに翻弄されストレスも増えるし、貴重な時間がどんどん削られてしまいます。どこかで“ここからは自分のための時間”と割り切ることも必要なのです。

ヒント3
ここぞという時は助け合いの精神で
孤高の存在に見える魔女ですが、決して人嫌いだったり、冷淡であったわけではありません。村人から頼られれば、手を差し伸べる親切さがありました。ですからあなたも“私はひとりでいいの”なんて孤独に逃げてはいけません。基本は“来る者拒まず、去る者追わず”の姿勢でいきましょう。そして、“人間はひとりでは生きられない、ここぞという時には助け合うことも必要である……”ということを胸にとめておいてください。

ヒント4
“相談したい”と思われる存在になる
現代で言う“カウンセリング”をいちはやく実践していたのが魔女。誰にも相談できない悩みをもった人たちが魔女の元を訪れたのです。宗教的に縛られていない魔女は、その人の心理状態をしっかり受け止め、既成の考えにとらわれずにここからどうすべきか話してあげることができました。つまり神の倫理ではなく、人間の倫理に基づいたアドバイスができたのです。魔女を目指すのなら、“ぜひ、この人に話を聞いて欲しい”と思われる存在になることです。

次は具体的な人づき合いのお悩みについて、そのシーン別にルネ先生がアドバイス。魔女の生き方には即実践できるヒントが満載です!
お悩み1
「口下手で、人と話すと疲れてしまい人づき合い全般が苦手です」

ルネ先生より
「まずは自分中心に考えるのをやめるだけで、ラクになりますよ」
この場合の一番大きな問題は自意識過剰です。“自分”というものを尊重しすぎるあまり「私がこんなことをしたらどう思われるだろうか」とか「おかしいと思 われるのでは?」などという意識が働いてしまうのです。自分自身に対するうぬぼれであったり、自己卑下(ひげ)だったり……自分を上に置くか、下に置くか は人それぞれですが、とにかく自分を過剰に考えすぎてしまうのですね。そのため“相手と自分”という関係性のバランスが崩れてしまい、人とうまくつき合えなくなってしまうのです。「そんなことはない、私は自己中心的ではないし、人を思いやっている」という人でも、実はその背後に「いい人に見られたい」という欲が隠れていることも多いもの。まずはあなたと周りの人の間に作ってしまっている「線」を取っ払ってしまいましょう。そうすれば「よく見せよう」とか 「こう見られたい」という自分中心の欲が消え、もっと自由に人づき合いができるようになります。話が下手というのも「こんなことを言ったらどう思われる か」という意識が勝ちすぎて頭が回らなくなっているだけ。肩ひじ張らずに、リラックスした気持ちで人と接するようにしてみましょう。

お悩み2
「NOが言えない自分……人からの誘いを断れません」

ルネ先生より
「どんなリアクションを取ればいいのか研究を重ねることです」
「NO」が言えないのは、自己を確立していないから。つまり誘われたけど行けないなら、その「行けない」理由を明確に語る自分でなければいけないのです。 ただ「何となく…」というのは、自分の意思が確立していない証拠。その日は他の約束があるとか、お金がないからとか……「NO」を言うための明確な答えを 自分の中に持っていなければ。そのためには相手のこと云々よりも、まず自分との対話なのです。その理由が伝われば、相手も「なるほどな」と納得してくれる のですから。
でも拒否すれば相手は身構えるし、空気が悪くなるのは当然。ですから相手のダメージを緩和する断り方を常に研究しておかなければいけません。魔女は研究熱心ですからね。日々、自分の言動によって相手がどんな反応をするのか、実験を繰り返して「こんな時はこう言えばいいんだな」という研究成果を自分の中に蓄 えていくのです。どうすれば「じゃあまた今度ね!」と笑顔で言ってもらえるか……。研究のしどころですよ。

お悩み3
「普通にしているつもりなのに、なぜか自分だけ浮いてしまいます」

ルネ先生より
「『人と違う』ことをウリにして、そして仕事はきっちりと」
そもそも魔女は人と異なる生き方を貫いた存在。そのため浮いてしまいやすいのは仕方がないのかもしれません。ですがひとつの集団の中で、みんなが同じ意見だったらどうでしょう。しだいに反対意見も出なくなり、マンネリに陥って、その集団の発展はそれ以上望めなくなります。ですから、グループの活性化のため には、ひとりくらい毛色の違う人間がいたほうがいいのです。せっかく「浮いている」のですから、その物事を俯瞰(ふかん)して見て、みんなが気づかないよ うなところを指摘してあげれば、あなたの存在価値はかえって高まるはずです。それともうひとつ。魔女は人に合わせる必要はないけれど、職場ではより頑張っ ていい仕事をしなくてはいけません。他の人にはない知識や技術を持っていたからこそ、魔女は確固たる自分のポジションを築くことができました。人になじまないし、仕事もできないとなれば、ただのお荷物。たとえ場になじめなくても自分の仕事を一生懸命していれば、一目置かれる存在になれるはずですよ。

お悩み4
「仲間や親友と呼べる人がいません。ひとりはさみしいです」

ルネ先生より
「生活圏内を飛び出して、魔女のように“旅”をしましょう」
肝心なことを忘れていませんか? 魔女の基本は自立した生き方をすること。友達探しだって人に頼っていちゃいけません。「誰かが紹介してくれないから友達 がいない」ではなく、自分でどんどん探しに行かなければ。昔の魔女は1年のうち3ヵ月くらいは旅をしていました。旅をすることで新しい情報を手に入れたり 仲間を作ったりしていたのです。未知の場所に行くのですから不安もあったでしょうが、それによって精神的にも鍛えられたのですね。村から一歩も出ずに死んでしまう人が多かった時代、見聞を広めるためにどんどん外に出ていった魔女は、実はとてもアクティブな女性だったのです。あなたも、いつもの生活範囲を思 いきって飛び出してみては? 魔女のように旅に出るのもいいですし、「おもしろそう」と思ったサークルやセミナーに参加してみたり、会社帰りに途中下車して何かひとつ、発見をして帰ってくるのを習慣にするのもいいでしょう。そんな中で仲間や親友も生まれるはずですよ。

お悩み5
「なぜか目をつけられて、いじめられやすいんです……」

ルネ先生より
「ハリネズミのように心に“気概”を持つべし」
現代では「いじめられるほうにも問題がある」なんてよく言われますが、それは大きな間違い。基本的にいじめるやつが悪いのであって、いじめられるほうが悪いなんてことはありえないのです。みなさんも学生時代に体験したことがあると思いますが、村八分というのは「仲間はずれ」を作ることで、残りのメンバーが 団結する仕組みのこと。もちろん個性が強く、目立つことが多かった魔女もスケープゴートにされることが多かったでしょう。とはいえ、“しかたがない”なんてそれに甘んじていてはいけません。まずスケープゴートの対象にされないためには“気概”を持つことが大事。ハリネズミのように「いざという時には針で刺すぞ」=「私をいじめたら、ちょっと痛い目を見るよ」というオーラを出していなければ。それには「お前の言いなりにはならないぞ」という強い気持ちを意識 の中から発していることが大切。そして“これ”と言える強みを何かひとつ持っていること。そういう人は孤高の存在として一目置かれることはあれ、人にいじめられるようなことは決してないはずです。

今回の魔女修行は人づき合い方法についてお届けしましたが、みなさんいかがでしたか? 改めて心も身体もタフになって、スキルを磨いていかなければ!と強く思いました。自分の心を大切にし、周りの人も尊重していく…というルネ先生の教えを忘れずに、新しい人づき合いを楽しんでくださいね!