新しい年が明けると同時に、心を痛める大きなニュース報道がありました。
ひとつは能登半島地震で、もうひとつは羽田空港での飛行機事故でした。
この飛行機は救援物質を積んで被災地に向かう準備中だったとのこと。
お正月早々、隊員の方々の懸命な姿を思い、なんとも言いようのない気持ちになりました。

地震や飛行機事故でお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表し、被災された多くの方々に心よりお見舞いを申し上げます。

日本全体が悲しみでスタートした2024年、みなさんもきっと様々な思いがあることでしょう。
私と夫はささやかな気持ちですが暖房を慎み、食事は簡素なものにしながら被災地で過ごしている皆様の日々を思うことに致しました。
このようなときは本当に春の訪れが、今か今かと待たれます。

さて、二月といえば暦の上では「立春」。
江戸時代に出版された暦の解説書によれば、立春とは「春の気、立つをもってなり」と。
「春立や誰も人よりさきへ起き」 と俳諧師の上島鬼貫は詠んでいます。
東の芭蕉、西の鬼貫といわれていたようですが、東西の俳人が詠んだ名句を並べながら春への思いをふくらませるもの素敵ですね。
それにしても春が立つ、とはなんて粋な表現なのでしょう。
他には如月(きさらぎ)、衣更月・雪解月・小草生月なども全て二月を表します。
節分を過ぎたら家の中でジッとしていないで春を探しに外に出てみませんか?
梅の蕾の優しいまばたきや、薄い氷の下で息をひそめている草たちの囁きが聞こえてきますよ。

ところで昨今、源氏物語ブームらしく歴史特集の番組でもよく見かけます。
源氏物語といえば、紫式部! 1千年以上も前に存在した実在の人物ですが一体どんな女性だったのでしょうね。
この時代に恋愛小説を綴るなど本当に時代の最先端を行き、クリエイティブの分野で洗練されたセンスの持ち主であったに違いありません。
ではここで少しお勉強タイム、源氏の中でも有名な箇所。
受験勉強のために、この部分を丸暗記したことがある人もいるかも?

いづれの御時(おんとき)にか、女御、更衣あまたさぶらひ給ひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
初めより「われは」と思ひあがり給へる御方々、めざましきものに、おとしめそねみ給ふ。おなじほど、それより下ろうの更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、慎みを負ふつもりにやありけむ、いとあつしくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをも、え憚からせ給はず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。

確かこんな感じで現代ではほとんど何を言っているのかわからない状況ですよね。
平安時代は本当に、こんな言葉で語っていたのでしょうか。

そこで、やや錆びついた頭でエミール風訳をひとつ。
では…
どの天皇のときなのかしら?宮中でたくさんの女性スタッフが勤めていたときに、さほどの事もないのに、マジッ!なんであの子がって感じで天皇のハートを独り占めしていた女子がいたんだって。
えーーそれって何で? どうして? だってアタシの方がルックスだって、育ちだって良いじゃん。
てな感じで天皇サマはアタシがゲット…とかなんとか、うぬぼれまくっていた女子たちにとっては「信じられない~。ばっかみたい」と職場では、そのうざいモテ女にむかってけなしたり、陰口を言ったりとひと騒ぎ。
このモテ女と同じくらいのレベルで育った子や、その子よりもやや勉強ができなかった子なんかは、もっともっと怒りまくっていたんだって。
そんなこんなで、朝晩の勤務でも周囲からのバッシングでストレスが溜まった宮中イチのモテ女、だんだん痩せたり病気になったり…時々「あ~もうやってられない~」ってことで実家帰り申請をして「じゃあネ」ってエスケープすると、そんな風情が超かわゆく見えたりして天皇サまは余計にヒートアップする始末。
これにはとうとう人事部長やらスタッフたちも呆れ果て、バシバシ悪口を言うようになるものの、これがまた逆効果。ますます思いつめ、ちまたでの噂話の元になるようなミエミエのえこひいきラブなんですってサ。

と…、まぁこんな流れでしょうか。
現代のオフィスでも見かけるような景色がこの時代にもあり、式部はそんな男女の恋模様を次から次へと書き連ねていったのでしょうか。
時代が変わっても愛や恋の原型はほぼ同じ。
そう思うと1千年前にも恋する男女は相手の気持が気になり、相性が知りたく…心変わりが心配で…と、占いやおまじないに夢中になっていたのかもしれません。
現に当時の資料を調べると他興味深い占いや、おまじないがたくさん出てきます。
これはいつか紹介することにして、次のお話にとびます

先ほど二月は立春、と書きましたが今年は2月4日。
この日を境にして東洋占星術では、新しい年へと切り替わります。
前年の厄を払い、心身のみそぎを行う儀式が豆まきというわけですが、ここで最近読んだ本の中から良い運を引き寄せる法則へのフレーズをひとつ。
「運のよい人は今の自分を生かす」 
これは常々私も思いつづけていることです。
何故、生年月日があるのか? そう思い、突き詰めて考えたときにゴールで待っていたの。
生年月日が違うので、それぞれの個性があるというシンプルなこたえ。
だとしたら、とことん自分と付き合い自分らしく生きていくことが最大の開運法といえるような気がします。

運が良くなりたいからとウイークポイントを克服し、自分を変えよう変えようと努力をしてしまう。
むろん努力することは素晴らしいことだし大切なことです。
ところが頑張れば頑張るほど、遠回りのルートを選んでいるような皮肉なことがしばしば起こります。
何故なんでしょうか?
実はこれはマイナスをつぶす努力なので、とても大きなエネルギーを必要としてしまうのです。
その結果、なかなか効果が上がらず滅入った気持ちがやってくる日があり、「あ~疲れた~」と負のサイクルに突入してしまいます。
それとは逆に、今の自分にできるマップを検索してルートを変更してはどうでしょう。すると未来への道が見えてきます。
たとえば、職場に出かけると人間関係が発生するので暗い気持ちになってしまう。
であれば、無理して自分軸を変えようとせず、通勤しなくてもできることを探してみるのです。
世間や周囲の人間関係に合わせ、物差しを変えていこうとすれば、どうしても自分の一部を封印しなければなりませんから。

ここでよく考えてみてください。
一番、大切な人はだれ? と…、わかるでしょう。 自分なのです。
だからこそ、天からの贈り物、お誕生日という印があるのです。
一番大切なのは自分、だから素直に自分の心の声を聴き、今の自分を生かていきましょう。
運がいい人になりたいなと思っているあなたは、自分にそなわっている自分だけの直観力(どなたも持っています)や、マインドを大切に扱ってください。

運がいい人たちは自分自身を尊重して大切に生きています。
精神科医で心理学者のアルフレッテド・アドラーも「できない自分を責めるよりも、今の自分を確かめる勇気が重要」と語っています。
つまり、できないことだけではなく、すでに達成していることに目をむけましょう!と言っているのです。

2/13、火星がイングレス水瓶座、入宮直後に待ち受けている冥王星と重なり、気が発熱する暗示。
燃えるような情熱と野望…、個々の心理状態は衝動的になるので心のブレーキを錆びつかせないようにしてくださいね。


     エミール



今回の写真は神奈川県の丹沢にある山の上から(スタッフが撮影)。


1/25の夕方、東京の空に月が上がり富士山の方角に陽が沈む様子です。ちなみに真夜中は満月に照らされて、とても明るかったとのこと。