あれは、私が大学の卒業旅行でイギリスを訪れたときのことですから、遥か昔になります。
約３週間かけて、イギリスのいろいろな都市を回っていた私。スコットランド地方北東部の街、アバディーンにも立ち寄ることにしました。
そのころイギリスで最初に北海海底の油田が開発され、基地だったアバディーンは石油バブルの真っ盛りでした。もともと港湾都市で海の男が多いせいもあったのか、威勢がよくちょっとガラが悪い（笑）。なにせ、駅を出た途端、旅行者の私に向かって、酔っぱらったお兄さんが「ビール飲む？」と飲みかけの缶ビールを差し出してきたくらいですから。もちろん私は、「No, Thanks！」と拒絶し、走って逃げました。

そんなアバディーンですが歴史は古く、中世の面影を残す史跡があちこちにありました。まさに見どころ満載で、中でも1495年設立のスコットランドで三番目に古いアバディーン大学や大聖堂など、西洋史学科を専攻した私にはたまらないすばらしい建物群を目の当たりにして、街歩きの間中、感動の嵐に包まれていました。花崗岩の町とも呼ばれるほど重厚な石造りの古い建物が多く、いかに歴史ある都市なのかをひしひしと感じたのです。

で、すっかりアバディーンが気に入った私は、当然、宿泊することに。ガイドブックを見ながら安い宿を探し回り、ようやく一軒のB&B（ベッド＆ブレックファスト＝民宿）を見つけました。そしてその夜、私は怖い体験をすることになるのです。

適当に夕飯を済ませ、夜遊びをするでもなく、ホテルに戻った私。ホテルの中にはテレビが置かれた部屋があり、誰でも見ることができるようです。
時計を見ると午後９時前。その時間、当時は人気クイズ番組をやっていて、私はそれが見たいとホテルの女性オーナーに告げました。そのとき部屋のドアが開き、２人の男が入ってきたのです。1人は異様に背が高く、もう１人は身長低めながら超マッチョ。いかにも「ただものではない」雰囲気です。その怖～いオニイサン方は、私の隣のソファに座り、一緒にテレビを見始めました。

いやもう、「その筋の人」の匂いがプンプンするオニイサン方ですから、怖いのなんのって。そのとき、ピンと来たのです。「あ、この人たち、用心棒なんだ」と。きっと、荒くれものの多いこの街で、女性オーナーがホテルを切り盛りするのは大変なのでしょう。いざというときのために、用心棒を雇っているんでしょうね。

その用心棒さんたちは、クイズ番組を見ながら、「Stupid！（くだらねぇ）」などと毒づいています。なので、ますます縮み上がる私……。
ところが、外国人の私にもわかる簡単な問題ばかりなのに、その用心棒さんたちは、答えを間違えてばかり。これには心の中で笑っちゃいましたね。
ちなみにそのクイズ番組は、最後、優勝者をお札の敷き詰めた巨大な透明の球体に入れて強風を起こし、舞い上がったお札をつかみ取らせるのです。欲望をむき出しにしながら、必死でお札を集めようとする優勝者。つかみ取ったお札が、優勝賞金というわけです。なんとも品のない番組でしたが、さすがはブラックジョークの国、イギリスらしいなぁと思いました。

このクイズ番組を最後まで見たところで、再び用心棒たちは部屋を出ていきました。これからの時間帯が、彼らの仕事本番なのでしょう。イギリスのホテル業界の、裏側を見たような体験でした。

☆三田モニカ先生の占いサイト!!
「女性誌/芸能界絶賛【12星座×血液型で驚愕的中】超性格・相性占い」
〔スマホ/PC〕
三田モニカ（フォーチュン・カウンセラー）監修：ホロスコープでは相性が良いけれど、血液型は合わない、そんなふたりの相性は？　従来の西洋占星術の相性に血液型相性を加えて完成したのが「超性格・相性占い」。西洋占星術では天から与えられたその人の運命を、血液型では性格・行動パターン・思考などを読み取ります。つまりこの血液型星占いなら、性格分析に加え、環境、物、状況といったあらゆるものとの相性がわかるのです。
https://charge-fortune.yahoo.co.jp/stw/event/mita/