【浅野八郎】カバラ数秘術

占術紹介

「カバラ」というと、私たち日本人には、あまり馴染みのない不思議なイメージの言葉です。ところが、ヨーロッパの人たち、特にユダヤ人にとっては、意味のある大切な言葉なのです。ユダヤ人というと、ノーベル物理学賞受賞者で相対性理論を提唱したアルベルト・アインシュタインが有名ですが、政治家にもユダヤ系だった人たちは多く、アメリカ大統領のフランクリン・ルーズベルトもその一人です。
では、なぜユダヤの流れをもった人たちが、文化的にも経済的にも歴史上で大成できたのでしょうか……それは、ユダヤ人の多くが、特殊な知恵をもつ人が多かったからです。ユダヤ人の多くは、小さな頃から、ユダヤ人の教義を教え込まれており、その教えの中で重要な役目をしていたのが「カバラ」という秘儀でした。
彼らにとってカバラは、時代の流れと自分に課せられた運命を知るためのものでした。自分の国をもたない、少数民族のユダヤ人たちは、自分の宿命を受け入れ、どう生きていくか、最善の選択をするための最大の武器こそが「カバラ」だったのです。

カバラは「運命数」という数字で、宇宙の法則を表しています。「はじめに言葉あり」とよく言われますが、ユダヤ人たち取っ手の言葉は「数」なのです。
運命数とは、運命を支配する重要な数であり、その人の生年月日がもたらす、一生を支配する数なのです。運命数を出すには、まず生年月日の中にある数字すべてを合計します。すべてを足して一桁になった数字が、その人の運命数となります。
カバラの宇宙観には「セフィロトの樹（生命の樹）」と呼ばれる、宇宙原理を示した思想があります。10個の思想が木の枝のように組み合わされ、図形で売空原理が示されます。
一番上には「1」を表す「ケテル（王冠）」があり、あらゆる思想の最終目標とされます。次いで「2」は「コクマ」と呼ばれ、生命の知恵を表しています。「3」は「ビナー」で、相手を理解しようとする知性を表しています。「4」は「ケセド」で、善。「5」は「ゲブラ」で力。そして、中央に位置する「6」には「ティフェレト（美）」を意味しています。続けて、セフィロトの樹の下を見ますと「7」は「ニサ（勝利）」、「8」は「ホド（名誉）」、「9」は「イエソド（基礎）」、そして最後の「10」は「マルクト（王国）」を表しています。
以上、10個のものが互いに結び合い、相反するものが対立しながら世界の存在を形成している、と考えるのです。

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