「どんなに怒っている人もゴキゲンにしちゃうテク」

「自分に対してマジで怒っている人」の怒りを抑える方法ってあるんだろうか? 
いざ怒られるときにどんな受け答えをすれば、相手の怒りは収まるんだろう?

この疑問を、心理学研究家の津田秀樹先生に答えていただきました。

まずは、怒られるときに、どんな態度を取るといいのかをチェック!
質問
仕事でミスをして上司から怒られることに。どんな態度で話を聞くと上司の怒りを抑えられると思う?
a 涙ぐんだり、落ち込んでいる様子を見せる
b 落ち込んでいる様子は見せない

心理学者のバロンの実験によると、電気ショックを与えるとき、相手に対して怒っていない場合、相手が心理的な苦痛を感じていることがわかると、電気ショッ クを弱めます。しかし、相手に怒っている場合は、相手が苦しんでいることがわかると、逆に電気ショックを強めるのです。つまり、怒られて落ち込んだり傷つ いている態度をとると、余計に相手の怒りを高めてしまいます。

よって正解はbとなります。
落ち込んでいる姿を見せたほうが、上司の怒りは収まりそうな気がしますが、実は逆ということが判明! たとえ傷つくことを言われても、気丈な態度を保ちましょう。

怒られているときに表情以上に大切なのが「どんな受け答えをするか」。そこで、上司や先輩に怒られるときや、友達とケンカしてしまったときに、もっとも効果的な受け答えを教えていただきましょう! 

次の (1)~(5)までが正規の手順となります。(6) (7)はオプションなので、余裕があればやるといいでしょう。たとえば、同じ人を好きな女性2人がもめた場合を例にお話しましょう。
1)相手の話(なぜ怒っているか)を全部聞き出す。
途中で話をさえぎったり、反論したりしないこと。
2)相手の怒りの理由を要約する。
聞き流すのではなく“あなたが言ったことを理解したよ” というサインを出すこと。要約が難しい場合は、相手が言っていることを繰り返し言うのでOK。

3)一部の非を認める。
全然認めないというのは相手の怒りを高めるので、一部認めるようにしましょう。

4)質問する
これまで相手の話の中で、疑問に感じたことを聞きましょう。

5)フィードバック(差し戻し)する。
相手の性格を避難するのではなく、言い方に注意を向けることが大事です。

(1)~(5)の手順で、相手の気が済むことがあります。そして「ちょっと言い過ぎたな」などと反省を促すことができますよ。ここから先はオプションなので、余力があればやってみてください。

《オプション》
6)延期する
怒りは冷ましたほうがいいので、その場でとことん話し合おうとしないようにしましょう。

7)提案する
問題をうやむやにするのではなく、ちゃんと解決する方向へもっていければベストです。

ちょっとした言葉遣いで二人の関係ってすごく変わります。怒られたりケンカをしてしまったときは、感情に任せて話すのではなく、この手順を踏んでみましょう! 
そして“こう言ったら相手はどう思うかな”と言葉への意識を高めると◎。この手順を踏めば、相手との関係をちゃんと前に進めることができるはずです。

ケンカした相手にコレをやると相手の怒りを高めます!!
●まったく関係ない人に話す
全然関係のない人に話すのはNG。人に話したことを当人が知ってしまうと、さらに怒りが込み上げます。
●相手を避ける。逃げる。無視をする
これがもっとも最悪で、お互いの怒りを高めます。解決力が一番低くなる行動です。
●その出来事を忘れようとする
「もう考えないようにしよう」と忘れようとしても、お互い忘れることはできないのです。

津田先生「自然な気持ちに流されると、ほぼ高める行動ばかりをしてしまいます。結局、頑張らないと仲直りすることはできません。時間が解決するのを待ったり、相手からあやまってくるまで許さないという態度をとるのではなく、積極的に怒りを静める考え方や行動をとることが大切です。具体的には、①自分なりに理由を見つけて納得する ②なぜ意見が合わないのか相手とことん話し合う ③態度で気持ちを伝えるのではなく、言葉で気持ちを伝える3つを実践していくことです」

みなさん、今回の「あの人の怒りを消す方法」は、いかがでしたか?
怒られたとき、ケンカをしてしまったときに使えるテクがあったのではないでしょうか。
と同時に、これまで自分がとってきた行動がやってはいけない行動だった…と気づいた人も多いはず。
もし、どう対応していいかわからなくなったときは、ぜひ参考にしてみてくださいね!