「五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひ茂りたるを、ながながとたたざまに行けば、下はえならざりける水の、深くはあらねど、人などのあゆむに走り上がりたる、いとをかし。」
陰暦による五月なので現在使われているカレンダーとは少しズレがあるものの、新緑が美しい今頃の季節に野原を歩くことに感動を覚え、思わず日記に綴りたくなるのは、今も昔も変わりのないことですよね。

現代風に要約すると

「あ~春がきたわ~。おっと、カレンダーをみれば5月じゃん! そうだ!山里(今は、野原とか公園など、緑が多い環境と解釈してもOK)に出かけよう、というワケで野原を歩くと、イヤ~。楽しい。楽しい。やっぱり、フイールドワークは魅力的よね。
まずはボケーーと見ていたら草の葉も水も、一面に青々とした感じで目に映ってくるものの虫メガネ的感覚で良ーーく見てみると表面的なことだけじゃなくて、大地には草がイッパイ! なんて贅沢な草の絨毯なのかしら♪♪(えならずは、言うに言われずとか、並々ならぬ素晴らしさの意味で、上はつれなくてもと対になっている表現)
それでね、どこまでも真っ直ぐに遠くまで行ってみたら、草の浅瀬にあった水が水しぶきになってパシャ、パシャ跳ねるの。キャッキャッ!超おもしいヮ。」

と、まぁこんな感じでしょうか。
緑がだんだん濃さを増してゆく頃の外出は、私も大好きなので、清少納言に倣って山里に、と言いたいところですが、新宿御苑に行ってきました。
【ホオノキは花をつけ始めていました】

八重桜が風に誘われて輪舞しながら歌をうたい、イヌザクラは白小さな花をつけながら遊歩道を行く人に、可愛いらしく愛想をふりまきカメラに収まっている。
そんな景色はまことにいとおかし・・・。

花の下でお弁当を広げたら、ご飯の上に花びらが散ってきてまさに桜御膳でした。
古来、桜の木には、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が宿っていると言われていますから、何か素敵な予感がしました。
【八重桜の下で桜御膳】

さて、ところ変わってヨーロッパでは5月になると森から切ってきた若木でメイポール(5月柱)を立てて、春の到来を讃えます。
メイポールの周りでは、女の子たちがポールにからめたリボンの端を持ち、陽気にステップを踏みダンスをしたり、はしゃいだり。
そして、リンリンと大きな音でベルを鳴らし、お寝坊をしている地の精霊たちに目覚めの時を伝えるのです。
5月の魔女さんたちは、森に出かけて緑のハーブ探しで大忙し。
なぜって、若い緑のエナジーにあふれる5月には特別の力があるって、知っているのです。
摘んできたハーブは、サラダやペパーミントライスで緑のご馳走になって食卓に並びます。
ペパーミントライスの作り方は、簡単なのであなたも是非チャレンジしてみてね。

作り方は、ペパーミントの葉をパセリやセロリと一緒にみじん切り。
それから、ミキサーにかけます。
この時に最後の飾り用に葉をほんの少し残しておきます。
お米を洗ってから30分くらい、水に浸してから、強火でガラガラと良くかきまぜながら数分間沸騰させます。
火を弱めてからフタをして弱火で約13分。
汁気がなくなってからバターとペースト状になったハーブをよく混ぜ、お好みで塩とコショウをパラパラかけつつ、飾りの葉をライスの上に乗せれば完成です。

5月は、大自然からの恵みの季節です。
裸足で草むらの上を歩いたり、目覚めたばかりの若い芽にキスをしてごらんなさい。
きっと、夢を叶える大きなエネルギーがチャージされるはずですよ。

        エミール
ヒマラヤスギのお帽子です】

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