平成元年を迎えたその日。
日本はとても静かで歌舞音曲・華美な装飾は自粛ムードに包まれていた。町々に飾られている花は菊や白い蘭。六本木に出かけた時に、見上げた東京タワーに灯はなかった。
昭和の時代は天皇低下が崩御されたことで悲しみの中で静かに平成へと移っていたのだった。

あれから30年……。
私たちは、新しく希望にみちた躍動感の中で新元号となった「令和」を迎えている。令和誕生を記念した様々なイベントや記念のお菓子。グッズなど見かけると天皇陛下在位中に元号が変わることで、新時代の迎え方がこんなにも違うのかと思ったりもするが、それはそれで良いと思う。
時代は流れ変化して、そこに生きている私たちもまた、移ろいゆく時に寄り添いながら未来へとむかっているのだから。

ところで、令和という新元号。
占い的にはどうですか? どんなふうに生きていくのが理想でしょうか?
という質問を頂きました。
画数、ヌメロジー、発表の瞬間の時間で、……などなど、占い的には様々なアプローチがあるものの、大和の国に暮らしているわたしたちとしては、やはり「言霊」により令和に宿る力を見つめてみるのが一番しっくりくるのではないかしら?
そう思い奉書に書いて眺めてみました。

上の文字は命令や辞令などに使う「令」、辞書によればこれは清らかに澄み切った状態を示すとされています。
音としてとらえると「レイ」と、少しクールな感じで理性的。
一方で下の方にくる漢字は「和」ですから、まろやかに全てのものを包み込む優しさがありますね。
日本古来の考え方。“和を以て尊しと成す”、情愛豊かな感じがします。
上下にふたつ組み合わせてみると、情の上に理が乗っている構図になって、情ありきの理があらわれてきます。

心の中にはあふれるような情の世界があるものの、キチンとした理性をも持ち合わせること。それが新時代の、生き方論のひとつになっていくのでないでしょうか。
私はそのようにこたえました。
みなさんも何か考えていることがあったら教えてくださいね。

さて、下の写真は平成最後の4月に過ごした高原でのものです。
雪解けとともに木々はいっせいに芽吹き、小川のせせらぎの中からカエルの鳴き声が聞こえていました。丘にはつくしがイッパイ! 素敵な、素敵な里の春です。
あと2週間もすれば、スッカリ雪も溶け、可憐な花たちが登場すると思います。
天地からの恵みに感謝。
そして、去りゆく平成にありがとう!

     エミール



高原の道をツクシを見ながら散歩しました。




こんなステキな出会いもありました。春を告げるマンサクの花。
まだ雪の残る林の中、一番先に花を咲かせてくれるのだそうです。


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