VS新入社員 
<慕われる先輩になろう>
「慕われる先輩」を目指して優しく接していたら、逆にナメられてしまったり、少し注意をしたら「怖い先輩」と敬遠されるようになったり…なかなか思い通りにいかない新入社員との関係。彼らとはどんな風に接すればいいのでしょう?

津田先生「慕われる先輩になりたい人は、つい最初からいい顔をしてしまいがちですよね。入社したばかりで緊張しているときに優しくしてもらえば嬉しいに決まっていますから、その時点では慕われます。しかし、新入社員も職場に慣れてくれば、最初の感謝など忘れてしまいます。それに新入社員は育てなければいけませんから、いい顔ばかりしていられません」

では新入社員から慕われて、憧れられる先輩になるにはどんな行動をとればよいのでしょうか?

津田先生「ではちょっと考えてみましょう。次の①~④のうち、どの対応をする人がもっとも新入社員から好感を持たれると思いますか?」

① 最初からずっと好意的
② 最初からずっと冷淡
③ 最初は好意的で、次第に冷淡
④ 最初は冷淡で、次第に好意的  

津田先生「心理学者のアロンソンとリンダーの『魅力度評定実験』によると、④<最初は冷淡で、次第に好意的>の対応をする人が、もっとも相手から好感を持たれるのです。自分を認められた気がして、それが好感につながるのでしょう。最初は新入社員たちにあえて好意的な態度をとらず、いい仕事をしたときなどに、あたたかい対応をしてあげるというのが、もっとも慕われる先輩の態度です。
普通に考えると①<最初からずっと好意的>のほうが好かれそうですが、それだと優しい人にすぎません。②<最初からずっと冷淡>の場合はただの怖い先輩ですよね。しかし②<最初からずっと冷淡>よりも最悪なのが③<最初は好意的で、次第に冷淡>です。最初に優しくしすぎると、こういう展開になりやすいので注意しましょう」

「最初は冷淡で、次第に好意的」がもっとも好感度の高い態度だとは驚きです! 新入社員にはつい優しく接してしまい、のちのち注意しにくくなる…という人はぜひ参考にしてみてくださいね。

VS新入社員 
<上手に注意しよう>
ミスをしてしまった新入社員に対して、あなたはどんな風に注意をしますか? 注意の仕方によっては、相手にすねられたり、関係がぎくしゃくしてしまうことも…。注意を受け入れてもらい、わだかまりを残さない言い方ってあるんですか?

津田先生「新入社員や部下を注意するとき、効果的な視線の使い方は次の①と②のどちらだと思いますか?」

① 相手をみつめながら注意する
② 相手をあまり見ないようにして注意をする

津田先生「人は怒っているときに、いつも以上に相手をぐっと強く見つめるものです。視線は相手を威嚇する攻撃道具にもなるので、目でも怒りを伝えているわけですね。新入社員や部下に注意するときにも、当然、いつも以上に相手を見つめてしまっていると思います。実は注意するときに、①のように相手のことを見つめるのはあまりよくないのです。心理学者のエルスワースとカールスミスによると、自分が否定的に評価されるときには、視線の少ない相手に好感を抱き、見つめてくる相手に嫌悪感を抱くのです」

相手の目をしっかり見つめて注意をしたほうが気持ちが伝わって良さそうだと思っていたので、これは意外でした! 褒めるときは相手を見つめて、注意するときは相手をあまり見ないようにするのが大事なんですね。

VS先輩(上司)
<先輩のご機嫌をとろう>
職場で気を使う相手といえば、上司や先輩。滞りなく仕事を進めていくために、普段から挨拶はもちろん仕事と関係のない無駄話をするのも必要なことだと思います。時には、先輩のご機嫌をとったり、先輩を褒めてプライドをくすぐるのも有効なコミュニーケーションです。しかし、やたらご機嫌をとればいいかというと、そうではありません。では、どんなご機嫌の取り方が効果的なのでしょうか?

津田先生「先輩がどんなタイプかによって、褒め方を変えるといいですね。あなたの先輩が課題の遂行を重視している【課題志向的支配型】の場合は、『先輩の意見、最高です!』というよりも『先輩の意見は確かに重視すべき問題で、私も重視しています』というような発言をしてみると、好感を持たれます。つまり、イエスマン的褒め方ではなく、単なる同調ではない方向性の一致が効果的なのです。
人間関係を重視している【対人関係志向配慮型】の上司の場合は、同調がいちばん大切です。それも理屈を超えた『先輩の意見、最高です!』という態度の同調であるほど効果的です。『先輩が優しいおかげで、いつも楽しく働けます』などと人柄を褒め、少しもけなさないほうがいいでしょう。そういう人間関係を重視した言動を評価してくれますよ」

なるほど、まずは自分の先輩が【課題志向的支配型】か【対人関係志向配慮型】のどちらなのか探ることからはじめましょう。先輩から信頼されれば、仕事もずっとやりやすくなるはず。
VS上司
<デキる人と思わせよう>
上司から「デキる人」と思われれば、評価にも良い影響が期待できます。なんといっても、昇進や異動などの人事は上司にかかっているわけですから! もちろん仕事のスキルを磨くことが大前提ですが、あるコツをつかめば、「デキる人」「有能」という印象を与えられるというのです!

津田先生「新入社員への注意の仕方でも視線の使い方を紹介しましたが、上司に対しても効果的な視線の使い方があるんですよ。視線の使い方なんてビジネスシーンではどうでもよさそうなものですが、これが実はそうではありません」

新入社員の場合は、褒めるときは相手を見つめて、注意するときは相手をあまり見ないようにする…でしたよね。上司の場合は、どんな風に視線を使えばいいのでしょう?

津田先生「心理学者のクックとスミスによる『凝視効果の実験』によると、上司をじっと見つめることと、上司から得られる評価の間には、ハッキリした相関関係があるのです。上司をあまり見ないようにすると、『この人はあまり能力がない』という印象を上司は持ちます。さらに、その他の否定的な評価も増すことがわかっています。具体的には『この人は自分に対して好意的ではない』という印象を持ち、上司のほうもその部下に好意を持たなくなってしまいます。
視線を合わせられないというのは『当惑』を表すサインであり、上司の前で当惑するのは、評価されるだけの能力がなく、上司に対してやましい気持ちを持っているからだということになるのです」

上司を見るor見ないでそんなに印象が変わってくるものなんですね。じっと見つめるほど、高評価につながるんですか?

津田先生「凝視しすぎるのはマイナスですね。やりすぎると、上司は敵意や威圧を感じて、低い評価を下してしまいます。会議での発表や、業務の報告、何か質問されたときに、上司の目をしっかり見て話しましょう」

営業の仕事をしている人は、お客様や担当の方の目をしっかり見て話せるようになれば、評価も変わってきそうですね。

VS同僚
<苦手な同僚とうまくつき合う>
上司や部下と違い、対等な関係にあるゆえに同僚とのつき合い方に悩む人は少なくありません。好きになれない同僚がいたり、仲良くしたいけど同僚達の会話に入っていけないなど、距離が近いだけに悩みも深くさまざまです。同僚とストレスなくつき合うにはどうしたらいいですか?

津田先生「同僚と仲良くするのは、得意な人には簡単なことでも、苦手な人にはずいぶん難しいですよね。仕事で悩んでいる人よりも、同僚との関係で悩んでいる人のほうが多いと言われているくらいですから。合わせるのが苦手な人というのは、もともと隠せないほどに同僚とちがいのある人なのです。ではどうすればいいのでしょう? 心理学者の神山氏と枡田氏の研究によると、服装の持つ『対人関係における伝達機能』は、想像以上に大きく、協調性のない人は、最初から個性的な服装をしておけば『そういう人』として認識され、意外と許容されるんですよ」

同僚と仲良くできない場合は『そういう人』として、やっていくしかないんですか? ちょっと孤独かも…。

津田先生「『そういう人』がたまに協調性を発揮すると、高く評価されるから大丈夫ですよ。反対に服装を合わせていると、少しでも協調性に欠けるだけで非難されやすい。つまり、同僚と仲良くするのが苦手な人は、みんなに合わせて目立たないようにするのではなく、服装レベルで強い個性を表すようにしたほうがいいですね」

へ~! 服装で『自分はみんなと違う』アピールをしておけば、同僚たちからも理解されやすくなるんですね。そして、たまに協調性を見せれば好感度も◎に。こうやって心理学の観点から教えてもらえると、すごく安心できますね。津田先生、ありがとうございました!

新入社員、上司、同僚と教えていただきましたが、みなさんいかがでしたか?
自分の身に置き換えて振り返ってみると、あの時こうしていればー!!と思うことがいっぱいでした。今すぐつかえるテクニックもあると思うので、ぜひ実践してみてくださいね♪