「白魔術はいいもので、黒魔術は悪いもの」あなたもきっと、そんなイメージを抱いていることでしょう。ですが本来、魔術の形はひとつであり、具体的に「白魔術」「黒魔術」というものが存在しているわけではないのです。では、何が白で何が黒なのか……実はそれを決めるのは、使う人の心です。武器自体に善悪があるわけではなく、どんな目的で使うかが重要なように、魔術にも邪な意識で使えば「黒」になるし、善なる意識から使えば「白」になります。つまり白と黒という意味を与えているのは、人間の側なのですね。

邪な思いというのは、欲望を満たしたい、邪魔な誰かを排除したい、などという自己中心的な思いです。よく悪魔を呼び出して、そういった願いを成就しようとする話がありますが、そもそも「悪魔」は、人間の欲望の最終形態。それを崇め、力をもらおうとするのが「悪魔崇拝」です。それに対し、白魔術というのは、人間を生かしてくれている地球、そして宇宙という大いなる自然を崇拝し、その流れに自分を合わせていこうとするもの。ここには「自分」をどのような立場に置くかという違いも如実に表れています。自分を中心に置き、世界全体を支配しようというのが黒魔術。自分は宇宙の一部にすぎないけれど、そこに調和することで大いなる自然の力を借りようとするのが白魔術です。つまり黒魔術は「人間の欲望の力」、白魔術は「自然の力」を魔力の根源としているわけです。


左:「自分」が世界の一部であることを理解し、そこに順応することで、力を借りようとする状態。
右:「自分」を世界の中心において、自らの欲求を肥大化させ、周囲を侵食している状態。

特に黒魔術はてっとり早く悪魔を呼び出して、自分の欲求を叶えてもらおうとするため、本来求められるはずの努力を必要としません。「悪魔に若さや美貌をもらったものの、術がとけたら一瞬にして老婆になった」という話は世界中にありますが、その願いを叶えるために必要な努力やそれに費やす時間を大幅に歪めて、結果だけを先取りすれば、当然そこにはひずみが生じます。また自分の意志を貫くために人を犠牲にすれば、そこにも本来あるべき姿ではない“不調和”が生じます。こうした時間や空間のゆがみが、いずれ「しっぺ返し」となって自分を襲うことになるのです。

私たち人間が、この宇宙の中で生きているということは、変えることのできない厳然とした事実。ですからそれを受け入れ「順応する自分」がいなくてはいけません。「今の環境がイヤだから」とすべてを拒絶するような思考でいれば、いずれ世界を自分の思い通りに変えたいと思い始め、「欲望」という名の悪魔につけ入れられてしまうでしょう。
今、自分が置かれている状況を受け入れ、いかに調和していくか……そのことを忘れずにいれば、あなたはきっと「白き魔女」でいられるはずです。

「いいこと日記」をつけて一瞬の幸せを実感しよう!

日記は愚痴や不安、恨みつらみのはけ口になりやすいので、あまりオススメしません。それはまさに「不幸の積み立て」。イヤなことばかり記憶していれば、イヤなことが起きやすくなるという、うれしくない「利子」も発生します。ですが「幸せだな」と感じたことだけを綴る「いいこと日記」はオススメです。今日の青空がキレイだった、ランチがおいしかったなど……そんな“幸せな一瞬”を紡いでいけば「白き心」を保ち続けることができるでしょう。

物事に陰陽があるように、魔術の世界にも陰陽があるもの。あなたのかけた魔法やおまじないが「黒魔術」となるかどうかは、自分の心次第なのですね。それでも、“あれがしたい”“こんな風になりたい”など、願いは尽きないもの。たとえば美しくなるために整形をしたとしても、そうやって手に入れた美しさってなんだかもろそうです。それよりも、運動や食生活などで手に入れた美しさって、力強い気がしませんか? 白魔女を目指すなら、結果を求めるのはなく、その間の過程も大事にしたいですね!