さて、今回のテーマは“四大元素”。ご存知と思いますが、西洋占星術にも登場する“火地風水”のことです。この考え方を生み出したのは、紀元前五世紀の哲学者・エンペドクレスで、この世界のあらゆるものは火地風水、四つの性質から成り立つと唱えました。物質が酸素や炭素などの元素でできていることは現代化学が証明していますが、彼が言っているのはもっと哲学的な意味での元素、つまり物に宿る性質のこと。火がエネルギー、地が物質、風が知性、水が感情、この四つのバランスによって、万物の“個性”が決まると考えたのです。

“なぜ風が知性?”などと思うかもしれませんが、下の解説にあるとおり、自然界の現象からうまくその性質を言い表していることがわかると思います。
そのため、この考え方は占星術にも応用されました。皆さんも「12星座というのは、よくもまあ、かぶることなく人間の資質を分類したなぁ」と思ったことはないでしょうか。それもそのはず、12星座とは星を見て思いついたものを順に挙げていったのではなく、この四元素の考え方に、もう一つの分類法である三区分(活動・不動・柔軟)の性質をかけ合わせて作った12のバリエーションだからです。そしてその12の性質を黄道(太陽の通り道)に当てはめ、星座の名前をつけたのです。火×活動なら牡羊座、地×不動なら牡牛座、というように……。つまり「○○座」という名称や神話は実は後づけであり、大元にあるロジックはこの四大元素だったのですね。
こうした古代の人々の発想力には、目を見張るものがありますね。その考え方は的を得ていて、時空を超えて私たちをうーんとうならせ、納得させる力強さがあります。同時に古代の人々が自然界と人間には何らかの相関性がある、つまり“人間も自然の一部である”ということを今の何倍も強く意識していたことが感じ取れます。この宇宙の一部である自分……。それは“我ここにあり”と自分の存在を肯定することにほかなりません。

さて、さっそく宿題を出します。外に出て、四大元素を感じてきてください。暖かな日の光が降り注ぐ中、土香る大地に寝転び、吹き渡る風の音や、川のせせらぎを聞いてみる。そうすれば、古代の人々が感じたのと同じように、自分がまぎれもなく自然の一部であり“今ここにいるのだ”ということを心と身体で実感できることでしょう。



物が火によってあぶられると、急速にその様態は変化し、灰になります。現代では物が燃えるのは物質が酸化するからであると解明されていますが、古代の人々はそんなこと想像もできませんでしたから、火は物を変化させる、動かすエネルギーの象徴と考えました。そのため、火のエレメントは活力や行動力、勇気を司るものとされているのです。また火だけでなく熱源である太陽の光も火の要素に属します。

地とは大地、動かざるものです。そしてその豊かな実りによって、あらゆる動植物の生命を育む土壌でもあります。皆さん、お気づきでしょうか? 四大元素の中で、唯一、手で触れ、ぎゅっと握ることができるのがこの地の要素。ですから地のエレメントが象徴しているのは、確かに存在している形あるものです。例えばあらゆる物質や人間の肉体、また自分が手に入れることのできるお金や財産を表しています。

春先は花粉症に悩まされる人も多いと思いますが、そもそも花粉は何によって運ばれるのか……それは風です。目には見えないものの、確かに存在しており何かを媒介したり、伝達したり、流布させる力があるものとして、風は考えられてきました。なぜなら知識は形はなくとも人々の間に伝達され、どんどん際限なく広がっていくものだからです。

水というのは流れ行くものであり、また同時に器の形に合わせて変幻自在に形を変えるものです。それはまさに、人の想念・感情のごとく。こうかと思えば次の瞬間にはまったく違うものになっているなど、一定の形を持たず、つかみどころがありません。また水は人間の肉体をうるおしてくれますが、情感・情緒もまた人の心や人生にうるおいをもたらしてくれるものでもあります。

魔女スピリットに心に宿らせ、一人前の魔女を一緒に目指しましょう♪