「人間をよくながめていると、時々良くない行ないをするものがいる。悪人は地球上から追放してしまったほうがいいのではないか……?」
月があまりにも落ち込んだり、腹を立てたりするので、太陽がなだめて
「悪いこともするが、いいこともしているではないか……。そんなに怒ってはいけないよ。」

そんなやりとりを何回繰り返しても、潔癖症の月の怒りと落ち込みは深くなるばかり。とうとう、地上の人間を一人残らず違う天体に閉じ込めてしまおうと考えるようになりました。

事の重大さに気がついた太陽は、月を呼んで、
「昼のあいだの人間を見ていると、デリケートなあなたは、悲しみがつのることが増えるようだ。それならば、夜の世界を照らし、人々の安らかな眠りを見守るようにしなさい。」

こうして、月は夜の世界にだけ光を与える役割に変わっていったのです。口の悪い人は、「そうかあ、夜は暗くてよく見えないから、行いが良くなくても目立たないしなあ」と言ったそうです。

天空の惑星にはさまざまな物語があるので、折にふれてみなさんにもご紹介していきますね。