古来、神の霊を呼ぶご神木 春には香りのよい花を咲かせます

【木の特徴】
古来、ご神木として崇拝されるオガタマノキが熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)の境内に入ってすぐ右手に立っています。細い木ですが、幹は苔むして、古木の姿を見せています。
春には芳香の強い黄みがかった白色の花を咲かせます。
この木の葉を食べて育つミカドアゲハの飛来も楽しめるといいます。
参道脇に立つ、有名なナギのご神木とともにご覧ください。ナギの葉は古来、道中安全、旅立ちのお守り、そして縁結びのご利益があるといわれています。
ご神木めぐりが楽しい熊野速玉大社です。 

★オガタマノキを見るポイント
苔むした幹。春には花。神の霊を呼ぶご神木として、見上げてみましょう。

【オガタマノキとは?】
関東以西の本州、四国、九州、沖縄に自生する常緑高木。
冬も緑を絶やさないことから信仰の対象とされ、古来、ご神木として神社の境内など神域に植えられます。神棚に備える玉串にも使われます。
名前の由来は、この木を神殿に備え、神の霊を招く習わし「招霊/おがたま」が転じたといわれています。


【歴史を伝える】
2004(平成16)年7月7日、熊野速玉大社は「紀伊山地の霊場と参詣道」として、世界文化遺産に登録されました。
主祭神は、熊野速玉大神(いざなぎのみこと)と熊野夫須美大神(いざなみのみこと)。
書物『熊野権現御垂迹縁起』(1164年長寛勘文)などによると、熊野の神々は初めに神倉山の磐座(ゴトビキ岩)に降臨されました。その後、景行天皇58年(西暦130年頃)、現在の地に新しい宮を造営して遷(うつ)られたことが記されています。神倉山の元宮に対し、この地は「新宮」と号されました。(参考文献:熊野速玉大社ホームページ)

【この木に会いに行こう!】
JR「新宮」駅からバスで約5分。熊野速玉大社の社殿に向かい合うように立っています。


↑参道脇に立つご神木、世界遺産・熊野速玉大社のナギ

○杉原先生の著作
『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』
定価:3,024円(税込)A5判・並製・284頁 ISBN:9784906828357
聖樹研究家の杉原梨江子先生が約220種の花の名前の歴史、物語、言い伝え、「シンボル」となるキーワードを丹念に集めました。植物学とは異なる、花の文化誌です。
http://www.setsuwa.co.jp/publishingDetail.php?pKey=177


○杉原先生の携帯サイト(フィーチャーフォン)
ケルトの森 木精占術
http://celticforest.jp/


○杉原先生がラジオ出演!
月に1度、『花のシンボル事典』から季節の花を紹介しています。
毎月・第3火曜日の19時25分から。
番組名:エフエムふくやま・本の情報番組「ブック・アンソロジー」<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
※「エフエムふくやま」公式サイトのWEBラジオでお聴きになれます。
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