バラの香りで芽生えるものは?

初夏に人目を引く花と言えばバラ。
道すがらの庭や鉢植えには、その家の人が丹精込めて咲かせたバラが、艶を競っています。

その花言葉は「愛」「結婚」「母性」など。
艶やかさ華やかさは、美しい花々の中でも群を抜いた存在でしょう。

私もその華やかさを求めて、バラフェスタという美しいバラの花を集めた催しに足を運びました。
会場では赤、黄色、ピンク、オレンジと色鮮やかなバラの花々が咲き誇っていましたが、とくに興味をひかれたのがバラの香りです。

じつはよく香るバラは、野山に咲いていた原種に近いオールドローズという品種がほとんどで、姿かたちの美しい新種のバラは、交配される過程でしばしば香りが失われてしまうのだそうです。
「天は二物を与えず」などといいますが、姿の美しさと香りのすばらしさの両立は、現在の品種改良技術をもってしても、なかなか難しいのですね。

バラの香りを使って、ある実験が行われたそうです。
若い男性たちになにとは知らせずにバラの香りを嗅いでもらい、その香りから思い浮かぶイメージを聞いたところ、一番多かったのが「清楚な若い女性」だったのです。
しかも、恋心まで芽生えさせる効果さえあるという結果が得られたのだとか。

さて、香りの楽しみ方にもさまざまありますが、ただ鼻から嗅いで楽しむだけではなく、口に含んで楽しむという方法もありますよね。

皆さんの中には、バラのフレバリーティーは飲んだことがあるという人も多いのでは?
このバラのフレバリーティーにまつわるおまじないをひとつご紹介しましょう。

イギリスなどでは、恋する女性が家に好きな人を招待したとき、その人をローズフレバリーティーでもてなします。
そのとき、お茶を入れたカップのソーサーにバラのつぼみを一枝乗せ、さらにつぼみから取ったバラの花びらを一枚お茶に浮かべるのです。

バラのつぼみは、女性から男性へ、あなたを好きですという意思表示。
意中の男性が、お茶に浮いたバラの花びらが沈まないうちにひと口飲んでくれたら、それはあなたの愛を受け入れます……という合図なのだとか。

神々が愛の女神アフロディテを海の泡から誕生させたとき、大地の神も劣らず美しいものを創造できることを証明するために生み出したと、ギリシア神話に語られるバラの花。
女子力も男子力も、上げてくれる強い魔力が宿っているのかもしません。

チャオチャオ、マークでした。